’15 1/12(月・祝)『テレスコープシステムの臨床』~ドイツ最先端義歯テレスコープシステムの基礎を学ぶ~開催されました

2015年1月12日 テレスコープシステムの基礎と臨床 
レポート:歯科技工士 中沢勇太先生

2015年1月12日、成人の日にテレスコープシステムの基礎と臨床の講習会が行われました。

テレスコープシステムの基礎と臨床20150112
当日は定員を大幅に超える24名の先生方が参加され、テレスコープに興味をもたれている先生が非常に多いことを改めて実感しました。

セミナールーム満員御礼の中、ドイツの最先端治療であるテレスコープシステムの講習が始まりました。

テレスコープシステムの基礎と臨床20150112
まずは稲葉繁先生による講義からスタートです。

コーヌスクローネは歯科界では、過ぎ去ったものだといわれることもあるようですが、ドイツではクラスプのないコーヌスクローネが日常的に行われ日々進歩しています。

また国内においても当時から今まで、しっかりと確立された正統派のテレスコープシステムが実践されており、非常に長期間口腔内で機能しています。

何が正統派なのか、稲葉先生の歴史を紐解くことで学ぶことができる本講習はとてもすばらしいと思いました。

テレスコープシステムの基礎と臨床20150112
はじめに、コバルトクロムモリブデンチタンを用いたワンピースキャスト、ポーセレン前装のリーゲルテレスコープ義歯が30年もの長期症例として紹介されました。

近年雑誌等でコバルトを用いたテレスコープ全顎補綴が紹介されることが多くなってきていますが、これほどの長期症例は紹介されることがなく、正統派テレスコープがいかに長期間機能するか、あらためてその実力を知ることができました。

テレスコープシステムの基礎と臨床20150112
ドイツでテレスコープが日々行われている理由に、質実剛健で合理的な国民性やマイスター制度による技術の研鑽が行われていることが紹介され、より高い技術で製作されるテレスコープシステムの仕組みを見ることができました。

よいものが残った結果がドイツの歯科事情であるのだなと思いました。

テレスコープシステムの基礎と臨床20150112
テレスコープシステムを用いる目的のひとつとして、歯を固定して口腔機能を長持ちさせるということがあります。

全顎で固定することで咬合力を一口腔全体で負担することにより、機能をより長持ちさせることができます。

実際の臨床例を用いてクラスプや静力学的に不利な設計をされた大連結子を、テレスコープシステムで改善し、長期症例へと進化させる様子が紹介されました。

内冠印象時にもちいるオクルーザルコアの重要性や技工サイドの当時の技術も紹介され、わかりやすく説明していただきました。

テレスコープシステムの基礎と臨床20150112
また「現代のテレスコープ」として、現在進行形で行われているテレスコープシステムが紹介されました。

現在国内でテレスコープといえば、コーヌスクローネのことと思われがちですが、症例にあわせてさまざまなテレスコープを用いなければなりません。

各テレスコープの特徴や用途をわかりやすく解説していただきました。

テレスコープの製作をする技工サイドとしては、それぞれの特徴や能力をよく知った上で製作に望まなければならないので、大変ためになる講習となりました。

テレスコープシステムの基礎と臨床20150112
【午後】

岩田先生の講義は、ケルンIDSの様子を動画で紹介していただき、現地の歯科事情を知ることができました。

ミリングマシーンやキャドカムが大々的に展示されており、歯科業界の機械の進化が進んでいるのだと思いました。

そんな中、コーヌス鉗子やディスク研磨などテレスコープ用の機材も多数あり、現地ではテレスコープが常に取り上げられていることがわかりました。


その後はテレスコープの臨床例を用いながら、具体的なテレスコープの製作法などを紹介されました。

コーヌスにおいて、コナトアを用いて6°の範囲内でミリング面を調整して、審美的な補綴を可能にする方法や、全顎補綴をすることで、顎関節のことを考えた補綴をする方法など、テクニカルな内容となっておりました。

咬合器に装着し、顔面計測を行うことで、患者さんの顔望に合わせた咬合高径を再現し、残った歯牙をレジリエンツテレスコープとして利用することで、より安定した義歯製作ができ、結果として顎関節を治療し、全身の健康を支えることができるとのことでした。

テレスコープは、顎関節や咬合の知識も必要となるので、岩田先生の細部まで解説されたスライドはとてもわかりやすく、理解しやすいので、とても有意義な講習となりました。

また歯科医師と歯科技工士とのコミュニケーションが重要であり、情報の共有、予後の報告なども重要であると言われており、私たち技工士もチェアーサイドの知識をつけなければならないのだと強く思いました。


最後に稲葉先生による総括としてテレスコープの適応症の講義がありました。

2日間の講習の最後に、今まで学んだ設計を臨床例で確認することでより深い理解をすることが出来ました。

支台歯の数や欠損状態など、図とともに臨床写真が紹介されることで、適応症なのか、禁忌症例なのか、またその場合どのような設計に変更したらよいのかが非常によくわかりました。

テレスコープシステムは歯科医師の先生の知識が必要なことは言うまでもありませんが、私たち技工士も同様の知識を得た上で、技工作業についても正しく理解しなければいけない分野であると思いますので、今回の講習は技工士にとっても非常に重要なものになったと思います。

私もより詳しい知識を身につけていかなければいけないと思いました。

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