Seminar report

IPSG Scientific Meeting 2015 レポート①小西浩介先生『患者満足度の高い診療を目指して』

IPSG Scientific Meeting 2015 レポート①小西浩介先生『患者満足度の高い診療を目指して』

  • IPSG学術大会

今年最後のIPSG包括歯科医療研究会の大きなイベント、“IPSG Scientific Meeting 2015”が開催されましたので、報告させていただきます。

会場は、日本歯科大学九段ホール。
全国から沢山の先生方にお集りいただだき、ありがとうございました!

歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士がお互いの知識の情報交換し、レベルアップを図る1年に1度開催されるIPSGの大きなイベントです。

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今回のトップバッターは、稲葉歯科医院、小西浩介先生です。

『患者満足度の高い診療を目指して』

IPSGでは初めての発表となりますが、堂々と落ち着いていて素晴らしいと感じました。
稲葉先生のアシスタントは歴代数々のドクターがされてきましたが、現在では皆、IPSGの指導者として活躍されています。

小西先生が稲葉先生のアシスタントを通して感じることは、メンテナンスに来られる患者様の多くが、30年を越える長期症例であること。

なぜこんなにも多くの患者様を、長期症例にすることができるのか。

確実な診査診断、そして設計はもちろんのことですが、やはりドイツでは120年以上の歴史あるテレスコープシステムを稲葉先生自身が一次情報を得て実際に治療されているからということをお話されていました。

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片側遊離端症例コーヌスクローネ、リーゲルテレスコープどちらを選択するか迷う方が多いように感じます。
遊離端義歯は後方が水平に動き、あたかも魚の尻尾を降っているかのように左右に動いてしまいます。

そこで、クラスプ義歯では対処する事が難しくなります。
テレスコープクラウンが装着されると、動きがなく遊離端いは良いと思われますが、コーヌスクローネに使いますと、二次固定となり、支台装置が離れているため、最後方の歯に負担がかかりすぎます。

その結果最高峰の歯が支点となり、その前の歯は浮き上がってしまい、コーヌス効果が失われてしまいます。
余程条件がよくない限りコーヌスはお勧めできません。

さらに最後方の歯が無髄歯である場合には、咬合力により歯根破折が生じてしまいます。
有髄歯の支台であることも大前提です。

また、最後方の歯に負担がかからないように前方の歯は一次固定をするのが良いと思います。
このような条件から、『リーゲルテレスコープ』が最善と選択しました。

リーベルは2本の小臼歯を内冠で固定し、さらにその遠心にシュレーダーゲシーベと呼ぶ、長さ5ミリ程の延長ダミーのような装置を作り、その遠心にリーゲルの閂装置を作ります。

そのようにしたリーゲルテレスコープ義歯は二次固定されているので、咬合力が小臼歯に分散され、最後方の支台には無理がかかりません。

また、咬合力により外れるような事もありません。

コーヌスクローネを片側遊離端症例から挑戦する方多いと思いますが、余程条件が揃わない限り、行わない方が良いということは、大変貴重な情報だと感じました。

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最後に、患者様に最善の治療が提供できるのは、稲葉歯科医院のチームワークによるものだとお話をいただきました!
会場の先生方の笑いもとるなど、聞く人を飽きさせない素晴らしい発表でした!

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