’16 1/10(日)『テレスコープシステムの臨床』~ドイツ最先端義歯テレスコープシステムの基礎を学ぶ~開催されました①

こんにちは。
稲葉歯科医院、院長稲葉由里子です。

先日開催された、『テレスコープシステムの臨床』のご報告をさせていただきます。

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今回講師を務めるのは、IPSG代表稲葉繁先生そして、IPSG副会長岩田光司先生のお二人です。

稲葉先生は、1978年に西ドイツへ留学をしました。
Tuebingen大学のヴィリー・シュルテ教授の論文に感銘を受け、彼の顎関節症の講義を聞く事が目的でした。

当時、日本歯科大学クラウンブリッジの助教授をしていたこともあり、Tuebingen大学のケルバー教授のもとに在籍しました。

ケルバー教授は、テレスコープシステムが得意であったことから、顎関節症の勉強と共に、ドイツで開発されたテレスコープシステムについて、学ぶチャンスを得ることになります。

稲葉先生が初めて見たテレスコープがリーゲルテレスコープ。
今まで見た事がない装置にショックを受けたそうです。

コーヌスクローネは、フライブルグ大学のカールハインツ・ケルバー教授が生んだ方法です。
稲葉先生は、客員教授として招かれたので、大学の中で診療、活動ができ歯科医師会にも入会していたそうです。

ドイツから帰国してみると、日本でもコーヌスクローネは、コーノスクラウンと呼ばれていて日本でもブームになりつつありましたが、方法がドイツとは違っていたと言います。

一番間違っていたことは、抜髄しないといけないと言っていた事です。
ドイツでは生活歯が原則です。

IPSG20周年記念では、Tuebingen大学のWeber教授からドイツ最先端のテレスコープシステム情報を頂きましたが、放電加工のテクニック、コバルトクロムの加工が非常に盛んで、天然歯とインプラントの融合についても沢山の症例を講演いただきました。

天然歯とインプラントをテレスコープによって二次固定し、22.23年の長期経過症例を得られている事は大変素晴らしいと思います。

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稲葉先生がドイツから帰国してすぐに行った症例です。

なんと。
35年経過している長期症例で、今現在も患者様のお口の中で機能しています。

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当時は、すべてゴールドで治療を行っていました。 

コーヌスクローネとは異なり、リーゲルテレスコープは、着脱のときに維持力が掛かりません。
また、支台歯を一次固定する事ができるのが特徴です。

リーゲルテレスコープの維持装置には、いろいろなものが使われますが、代表的には回転リーゲル(ドレーリーゲル)と旋回リーゲル(シュベンクリーゲル)があります。

回転リーゲルは、リーゲルテレスコープが考えられた最初のもので、歯と歯の間に設置するものです。

直径1.5mm程度の白金線(パルマドール)を使い近心と遠心を4分の1づつを削合し、直径と半径を使い、外冠に設置された半径の溝に白金線を回転させて着脱させるものです。

この弱点として、使用している内に白金線が曲がったり、歪んだりすることがあります。もちろん修理が可能ですが、最近では用いる事が少なくなりました。

旋回リーゲルは、回転リーゲルが歯軸に直角に使うのに対し、歯軸に平行にパルマドールを使い、歯軸に直角にレバーを旋回させて内冠に設置したリーゲル孔にレバーの先端を入れ、外冠を固定する型のリーゲルです。

最近では、旋回リーゲルの方がその耐久性や製作の容易性から、使用頻度が高くなりました。


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下顎は、前歯部はコーヌスクローネそして、たぶん8番を利用しているので、クリアランスが足りないため、アンカーバンドクローネを応用しています。

これにより、義歯の安定に大切な4点支持を得る事ができます。

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こちらが、外冠です。
リーゲルテレスコープと違い、コーヌスクローネの維持力は摩擦力です。

4点支持が得られた事で、患者様は35年という長期にわたり使用することができたのだと思います。

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他にも、最近のコーヌスクローネの症例についても見る事ができました。

舌側に厚みを付ける事で、リンガルバーの代わりになります。
こちらの方が、患者様にとって違和感がなく快適なようです

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上顎レジリエンツテレスコープ、下顎リーゲルテレスコープ症例。

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テレスコープシステムを患者様に提供するにあたり、咬合の知識は必須となります。

フェイスボウトランスファーを行い、咬合器に付着すること。
中心位で仕事ができると、歯科医師、歯科技工士の情報交換を円滑となります。

余談ですが・・・
IPSGでは、5月から、『咬合』に特化したコースが開催されます。


『咬合認定医コース』

今後、一歩先の質の高い仕事を目指していらっしゃる先生方におすすめします

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こちらは、38年間、学校の給食室で働いていた方です。

退職をし、審美的にも機能的にも口元の美しさを取り戻したいとのことで、近所の歯科医院を訪れましたが、治療が終わった結果がこちらです。

黒い金属が沢山入っていて、噛み合わせの平面も整っておらず、これでは治療が終わったと言えないはずです。

患者様はプライドを取り戻すことができません。
そこで、稲葉先生のもとを訪れました。

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患者様は一番最善な治療を求められていました。

だとすると、このような方法がベストなのではないでしょうか。

上顎リーゲルテレスコープ、下顎コーヌスクローネという、大きなケースとなりました。

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治療後、一番最初に褒めてくれたのはお孫さんだったそうです。
「おばあちゃん、きれい!」
って何度も何度も褒めてくれたことで、大変感謝してくださり、心に残る症例となりました。

あれから、10年以上経過していますが、問題なく使って頂いています。

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チタンでのテレスコープ症例です。

やはり、チタンは軽いので支台歯が失活歯が多かったり動揺がある場合などに適応されると思います。

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テレスコープシステムを過去のものだと勘違いされてる先生が多いのも事実。
それは、日本では正しい方法が知られていないからだと稲葉先生は言います。

実際ドイツを訪れてみて、ほとんどがインプラントとテレスコープ技工であることにビックリされるはずです。

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ドイツでは国家試験は教育された教授が行います。
日本では全国統一の国家試験なので、特徴がありません。

自分が教えた学生の実力は教えた教授が一番理解しています。
無事、国家試験を合格すると、お酒が用意されていて乾杯するそうですよ!

粋ですね!!

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コーヌス角とテーパーの違いを間違って理解されている方も多くいらっしゃいます。
稲葉先生の35年経過症例のように、正しく製作されたコーヌスクローネに細工はいりません。リベースも必要ありません。

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リーゲルテレスコープは、今後、インプラントリーゲルなど利用範囲が多いと思います。

今回、参加してくださった、半分の方が技工士でした。
ぜひ、応用範囲を広げ、患者様に最善の治療を提供していただきたいと思います!


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続いて、IPSG副会長の岩田光司先生の講演については。

稲葉歯科医院、小西浩介先生にバトンタッチします!

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岩田先生の講義、そしてパワーポイントすべてが素晴らしく、感激した一日でした。

何度聞いても、勉強になります。
お話もおもしろかったです
後日、岩田先生の講演に関してもご報告させていただきます!

▼レポート②岩田先生の講演はこちら
http://www.ipsg.ne.jp/20160110telescope-report2/


<<受講された先生方のご感想>>
▼初めてお聞きするお話やコーヌスに対する間違った解釈をしていたことを知り、咬合や印象、補綴全体に対する考えが大きく変わるようんな気がしました。本日は有難うございました。

▼本を取り寄せて読んでもまだしっかり理解できていないことが多数あることに本日の講習会を受けて分かりました。今の自分に足りないことがわからず、困っていましたが、進む方向が決まった気がします。固定の補綴では、歯周治療との融合がうまいかず、予後良好にて長期症例を多くできるのが現在の一番の目標です。

▼初めて知ったことが多々ありました。子供が1歳で小さいのですが、預けても参加して良かったです。

▼来月のセミナーで実習など見れるのが楽しみです。

▼テレスコープは技法の難しさ等から最近ではまりしない医院が多いと思われるが、適応症を選んでおこなえば長期にすることが分かりました。

▼フェイスボートランスファー、咬合器での判断、まだまだ不十分です。まずは本年はこれらをしっかり勉強し、学んで参りたいと思います。

▼今回のセミナーも何回か再受講しましたが毎回新しい発見があります。実際臨床をやりながら、基礎を勉強することで理解が深まると思います。テレスコープシステムを臨床に取り入れることにより、治療の選択肢も増えてとても助かっています。有難うございます。

▼テレスコープについてなにも知らなかったので、3つのテレスコープの違いや適応などについてはじめから教えて頂けたので、とてもわかりやすかったです。

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