Seminar report

’16 2/20,21(土、日)パーシャルデンチャーとテレスコープシステム 理論と実習コース開催されました②

’16 2/20,21(土、日)パーシャルデンチャーとテレスコープシステム 理論と実習コース開催されました②

レポート/歯科医師 小西浩介先生
■1日目

2016年2月20日21日に『パーシャルデンチャー・テレスコープシステム 理論と実習コース』が開催されました。

全国の先生方にお集り頂きまして、本当にありがとうございました。
今回も早い段階から満席で、可徹式の義歯であるテレスコープシステムが改めて注目されていることがうかがえました。

日本ではテレスコープシステムというとコーヌステレスコープしか知られていませんが、本場ドイツには他にも種類があり、現在まで進化・改良を重ね素晴らしい技術として今も盛んに行われています。

IPSGではドイツで行われているテレスコープシステムを講義・製作デモという形でご紹介させて頂いています。
今回は、各種テレスコープシステムの製作デモを中心に学んで頂きました。

まずは、IPSG代表の稲葉繁先生から各種テレスコープシステムの基礎、パーシャルデンチャーの設計方法についての講義です。

テレスコープシステムを臨床で活かすためには、パーシャルデンチャーの設計をきちんと理解しておく必要があるということでした。

受講生の先生方に模型を用いてパーシャルデンチャーの設計実習を行って頂きましたが、レストや大連結子の設計は、しっかり根拠を持って行って頂きたいということをお話して頂きました。

そして、テレスコープシステムで行った臨床をいくつか紹介して頂きました。
この症例は上顎がリーゲルテレスコープ、下顎はコーヌステレスコープですが、術後30年もたつそうです。

日本では、コーヌステレスコープはトラブルが多く廃れてしまったという残念な過去があります。

しかし、ドイツで行われているきちんとした製作ステップを守れば、このような長期症例にできる可能性が高くなります。是非、今回のコースできちんとしたテレスコープシステムを知って頂きたいということでした。

今回の製作デモはIPSG認定技工士である中沢勇太先生に行って頂きました。

中沢先生は昨年の顎咬合学会でもテレスコープシステムのテーブルクリニックを開催されるなど、多数の講演会においてご活躍されているIPSGの若手のホープです。

1日目は、稲葉繁先生のコーヌステレスコープについての講義後に、一連の製作デモを行いました。

コーヌステレスコープでもっとも重要なのは、内冠の研磨です。

フリーハンドでの研磨ではどうしても限界があります。したがって、横型内冠研磨機を用いて正確な最終研磨をするのが理想です。

この横型研磨機は稲葉繁先生が考案されたもので、当時KAVOから発売されていました。
この横型研磨機を用いて最終研磨を行うシステムは、当時からドイツで認められ採用されており、今もなお各国のメーカーから販売されている確かな技術です。

当時のKAVOの横型研磨機は現在では廃盤になっており、入手困難ですが、今年の春ごろにIPSGで復刻版を製作・販売することになりました。

横型研磨機で行った場合と、フリーハンドでの研磨の違いによるコーヌステレスコープの優位性も説明して頂き、最終研磨の重要性をより知ることができました。

この横型研磨機での内冠研磨を、受講生の技工士の先生方にも行って頂きました。

この操作は決して難しくはなく時間もかからず、コーヌステレスコープの精度をかなり上げることができますので、是非この横型研磨機を先生方の技工ステップに取り入れて頂きたいと思います。

コーヌステレスコープでは内冠の研磨の他にも、いくつか重要な部分があります。
その1つがオクルーザルコアの存在です。

これは内冠を試適し、外冠の印象採得をする際にとても重要な役割をします。

オクルーザルコアがあることで内冠の位置関係を、外冠製作用模型に正確に記録することができます。
外冠製作前に内冠を先に合着したり、オクルーザルコアを用いないことはドイツではほとんど行ってはいません。

このような重要なステップを確実にふむことで、より精度の高いコーヌステレスコープが出来上がります。

今回の受講生の先生方の半分は歯科技工士の先生でした。

1つ1つの細かい技工ステップを真近で見て頂くことで、より実践に近い理解を深めることができたのではないでしょうか。

1日目終了後は、ほぼ全員の受講生の先生方で懇親会を開催しました。

このように先生方での情報交換や、テレスコープシステム専門の技工士の先生方と直接知り合える機会は、IPSGの懇親会ならではだと思います。

懇親会は、IPSGの近くにあるビストロ・グラッソにて。
乾杯!

IPSGの、佐藤先生、小西先生はいつもサポート役で大活躍してくれています。
IPSG副会長、岩田光司先生も一日ありがとうございました!

IPSG会長の飯塚能成先生のお人柄があってこそ、和気あいあいと、この会を続ける事ができています。
IPSGの研修会ではアットホームな雰囲気で、初参加の先生もリラックスして頂けるような環境づくりを目指しています。

今後IPSGへのご参加をご検討の先生方は、どうぞお気軽にお越し頂ければと思います。

こうして1日目は盛況に終了しました。
2日目はドイツで盛んに行われているリーゲルテレスコープ、レジリエンツテレスコープの講義と製作デモに続きます。

レポート/歯科医師 小西浩介先生

▼レポート③はこちら
https://ipsg.ne.jp/20160220-partial-telescope-report3

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