’18 2/11,12(日,月祝)パーシャルデンチャーとテレスコープシステム 理論と実習コース開催されました①

レポート/Weber Dental Labor 峰岸真沙彦先生

2018年2月11日(日),12日(月)の2日間に行われました「パーシャルデンチャーとテレスコープシステム理論と実習コース」のレポートをさせていただきます。

今回のセミナーも多数の先生方に参加していただきました。
北海道や沖縄から参加された先生もいらっしゃいました。

このセミナーは先月に行われた「正統派コーヌスクローネセミナー~設計と適応症」とセットで受講される先生もいらっしゃいます。

現在、テレスコープを始めようと資料を探しても、なかなか良い資料にたどり着けない技工士の先生も多いと思います。

私もインターネットで資料を探して、「正統派コーヌス・クローネ」の本を見て、IPSGを知るきっかけとなったテレスコープシステムのセミナーです。

  
  
はじめに稲葉智弘先生によるテレスコープシステムに必要な基礎知識や理論、用語などを確認の意味を込めた小テストから始まりました。

ベテランの先生でもこの答えは?と聞いてしまう問題もあり、改めて知識の確認ができる良い機会になったのではないでしょうか。

また、模型の設計を受講生にしていただきました。

日々の臨床でされている設計を描いて、テレスコープシステムとの比較をしました。

その後、午後の高木清孝先生のコーヌステレスコープとレジリエンツテレスコープの製作デモの前に、稲葉智弘先生によって講義をしていただきました。

実際に臨床で経験した症例のスライドを出しながら講義をしていただきました。

ここではスライドに沿ってプリントが用意されていてとてもわかりやすかったです。


1950年ころの可撤性義歯や1963年に装着されたコーヌステレスコープ義歯を見せていただきました。

1980年代にはテレスコープバブル期があったそうです。
特にコーヌステレスコープが盛んに行われていましたが、誤った手順のテレスコープ製作方法や理論を紹介する研修会が増え、コーヌステレスコープの禁忌症を沢山行ったため、テレスコープシステム全体の評判を落とす結果と説明していただきました。

途中から稲葉繁先生がテレスコープシステムを私たちに、正しい製作方法や理論を届けていただいた歴史をしていただきました。

稲葉繁先生が西ドイツに渡られたのは、私がちょうど生まれた1978年だったことに驚きました。

テレスコープシステムは古くは1886年にはブリッジの支台装置として使われ、その後1889年にテレスコープを使用したブリッジやスプリットピン・アンド・チューブ・アタッチメントを使用した可撤性ブリッジが考案されたそうです。

今からおよそ130年にもなります。

ドイツでは現在でも必要とされている技術を、日本ではごく一部の先生方しか患者様に補綴できないと思うと残念でなりません。

次に「コーヌスクローネの生命は内冠にあり」と一枚のスライドが出ました。

私も現在、テレスコープシステムの仕事に携わらせていただき、コーヌスに限らず全てのテレスコープシステムに共通する言葉だと思いました。

はじめて作らせていただいた時、口腔内の支台歯にきつすぎて内面を削ることになりました。

削りたい場所の内冠の厚みは0.3mmと薄すぎました。

穴をあけずに済みましたが由里子先生にお手数をおかけしてしまいました。


コーヌス角は6°が最適な維持力で、4°~5°では維持力は強く維持コーヌスとなり、7°~8°では維持力は弱く支持コーヌスになります。

一つの顎で使い分けている症例を見せていただきました。
また、支台歯形成の内容、固定方式や固定効果、禁忌症、製作手順について教えていただきました。

禁忌症は2点支持の場合、各々の維持歯が歯列を対角線上に横切ったり、真横に横切る場合だそうです。
また、製作手順ではフリーハンドではなく必ず機械研磨であること。

比べてみると研磨面が全然違います。
あと必要に応じてコナトアを使うことなど説明していただきました。

これらの決まりを守らないと失敗し、取り返しのつかないことになるのはおわかりになることでしょう。


次にレジリエンツテレスコープについて話していただきました。
コーヌスとリーゲル等の禁忌症に応用できるそうです。

内冠はパラレルとコーヌスの混合型で、3歯以内の少数残存歯列に用いるそうです。
内外冠との間に緩衝腔を持たせることで、咬み込んだ時に義歯の沈下量を考慮した粘膜負担義歯になります。


午後に入り、高木清孝先生によるコーヌステレスコープの実習が始まりました。

技工サイドでは、まず模型を預かってからどのように設計していくか、また工程ごとの製作物を教えていただきました。

内冠製作に必要な道具や材料、コナトアなどの器具など図を描いて丁寧に教えていただきました。

今では手に入らないものもあり、代替え品などの情報も教えていただきました。

内冠のワックスアップでは、クラウンブリッジの方法とは異なり、マージン部は厚みを持たせてから形成しないとマージンが薄くなり、ギザギザさせてしまった事がありました。

改めて勉強になりました。
また、使っているWAXも技工操作がやりやすい物を教えていただきました。

スプルーには3mmのプラスチック棒を使い、鋳造後に横型研磨機で機械研磨しました。

研磨面はピカピカで、フリーハンドでは決して出せないツヤでした。

完成した内冠にオクルーザルコアという、外冠製作するための印象時に内冠の位置関係を正確に留めるための装置やレジン根も教えていただきました。



次にIPSG副会長の岩田光司先生のパーシャルデンチャーの設計デモをしていただきました。

ここでは以前に稲葉繁先生がわかりやすく説明できるようにたくさんの模型を作り、岩田光司先生がその模型を使い4点支持がいかに良い機能かと説明していただきました。

4点支持がどうしてもできない場合の対処法にシュパルテやトーションバーという今までに見たことがない装置を教えていただきました。

下顎ではリンガルバーを使い歯頚部から6mmのところに上縁を設定するようにおっしゃいました。

岩田光司先生に用意していただいた、石膏模型を使い、受講生に設計してもらいました。

その後、シュパルテとトーションバーのデザインや厚みを詳しく教えていただきました。

受講生のそばでは小平雅彦先生がわからないところがないか気にかけているところを見て、スタッフとして参考になりました。
             


二日目の午前は林昌二先生の講義は由里子先生のレポートをぜひご覧ください。

午後からは中沢勇太先生のリーゲルテレスコープの講義から始まりました。

私もちょうど手がけている症例があったので照らし合わせながら、聞くことができました。

リーゲルテレスコープのレバーは、既製品ではないためディスク研磨にて上面と底面が並行性でなくてはならない事や、スムーズに回転させるため同心円設計する事を、特に注意して製作するそうです。

また設計ではどこに鍵穴をつけるか、1つではなく2つにすることで支台歯が抜歯しなければならない時でも、修理で対応できる設計も考慮するそうです。

内冠製作時における着脱方向を決める際にはネガティブヴィンケルを考慮し歯冠乳頭部には歯冠ブラシが通るよう作ることも重要と述べていました。

内冠の形や厚み、パラレル面は作りすぎると適合が難しくなることも説明していただきました。

外冠製作時にはレバーの回転域を調節する方法を説明し、開きすぎることのないようにスライドみながら教えていただきました。

外冠鋳造時に失敗しないための工夫も丁寧に説明されていました。

シュパルテの製作の場面では、前日の岩田光司先生が教えていただいた厚み、幅、形など復習しながら聞けました。

また人工歯排列の場面では側方運動時に、作業測では犬歯・第一小臼歯部で滑走、平衡側では離開させ、前方運動時では中切歯と側切歯でガイドさせ、臼歯は離開させると説明されていました。

         
高木清孝先生のリーゲルテレスコープの実習が始まりました。

まずレバー製作で中沢勇太先生は歯冠修復のワックスアップ後は印象を採り、石膏模型に置き換えてから作る方法と高木清孝先生ではワックスを削って作る方法の2種類のやり方がありました。

また、回転軸部も楕円状にさせて、パターンレジンが硬化する前にレバーを小刻みに回転させて、回転域をこの時点で作っていました。

この後、重要なレバーの研磨の仕方を見せていただきました。

研磨後、パターンレジンを使って外冠製作にかかり、高木先生の2日間にかけての実習がすべて終えることになりました。
           


今回が初めてスタッフとして間近で見させていただき、同じ材料を使うことで一番効率よく製作しやすい方法を学ぶことができました。

高木先生や中沢先生達はいろいろな種類のワックスや、レジン、またはバーなどのポイントど使ってみてより良い道具にたどり着いたのだと思います。

私は始めてまだ短いですが、教えてもらいそれらを使いこなし、慣れて真似することが一番の近道だと思います。


その後、稲葉智弘先生による前日の小テストの答え合わせをして、質疑応答へと移り、受講生に終了証をお渡しして今回のセミナーは終了いたしました。

次回のセミナーではまた稲葉繁先生の洒落が聞けることでしょう。楽しみです。

最後に先日、先輩が作られたコーヌステレスコープが完成し、セットする場に立ち会わせていただきました。
セットする流れをドクターだけが把握しているだけではだめだと思いました。

衛生士さんと連携して支台歯の多いケースで、セメントの硬化する短時間でいかにスムーズにかつ間違えずにセットすることが患者さんに負担をかけず、失敗しないテレスコープシステムが成り立つのだと思いました。

今までIPSG以外で経験されている先生方は、ぜひIPSGで学ばれて正統派の技術でこのテレスコープシステムを必要とする患者さんに診療してほしいと思います。

▼レポート②はこちら
http://www.ipsg.ne.jp/20180211-partial-telescope-report2/

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