Q.咬合器上での側方顆路角や矢状顆路角はどのくらいのバリエーションがあるのでしょうか?

Q.咬合器上での側方顆路角や矢状顆路角などは最も自分の不得手とするところで実際にはどのくらいのバリエーションがあり、どのように利用するのが良いのか知りたいと思っています。

また咬合調整をしてはいけない症例も知りたいと思います。

A.咬合器を使う最も大切なことは、正確な模型が咬合器に対し3次元的に正確にマウントできているか否かということです。

これが正確でなければ、顆路の調節を行っても意味がないということです。

そのためにはフェースボートランスファーを正確に行い、上顎の模型を正しい位置に付着することが最も大切です。


さらに下顎の模型を目的とする顎位で付着することです。

咬合診断や全顎の修復に対しては中心位でレコードを採得し、中心咬合位との間で緩衝の有無を確認し、中心位から側方移動をしたとき、偏心位で歯の接触がどのようになっているかを診断します。

咬合様式を診断する場合には、個々のデータを咬合器の調節要素を与えなければ正確な診断はできません。

平均的な咬合器では矢状顆路は30度、側方顆路角は10度程度で作られています。

総義歯の製作においてはほとんどのケースで問題はありません。しかし有歯顎の場合には各個に調節しなければなりません。

この場合には調節のできるセミアジャスタブルの咬合器が必要になります。その際必要になるのが側方位のチェックバイトです。


これは側方運動の際の平衡側の前内下方に移動する矢状面における角度を調節します。

この角度はフロリダ大学のランディーン教授が、50名の側方運動を調査したデータ7.5度を参考にすると良いと思います。

しかしチェツクバイトで調査すると、しばしば20~30度というデータが出てきますが、これは信用できない数値です。


その理由は平衡側の干渉がそのまま数値として出てしまった結果、実際より大きなものと考えられます。

もしこの大きな数値を咬合器に与えて診断したならば、平衡側の干渉は現れてこないということになります。咬合診断の際は、一度平均値に戻して診断してみることが重要な操作です。


咬合調整をしてはいけない症例には、患者の立場と術者の立場があると思います。

顎関節症は咬合診断の結果、明らかに噛み合わせが原因であることが判明した場合、有害となる接触を説明しなければなりません。

例えば智歯が干渉して1級の梃子現象があった場合は、その原因となっている歯を抜歯あるいは咬合調整をする必要性を丁寧に説明した結果、それが理解が得られない場合は咬合調整はできません。

理解していただければ咬合調整を実施します。

術者の立場から咬合調整してはならないのは咬合を理解せず、接触している箇所を何の疑問も持たずに咬合調整してしまうと、その結果増悪してしまうケースがありますので削ってはなりません。

咬合調整の正しい知識と技術を勉強してください。

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