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コーヌス角はテーパーの半分と教えていただきましたが、コーヌス角とテーパーは何が違うのでしょうか?

Q:コーヌス角はテーパーの半分と教えていただきましたが、コーヌス角とテーパーは何が違うのでしょうか?

Q.コーヌス角はテーパーの半分と教えていただきましたが、コーヌス角とテーパーは何が違うのでしょうか?
A. コーヌス角はしばしばテーパーと間違われて、雑誌等でも使われていますので、正しい知識を持っていていただきたいと思います。

最初にテーパーについて説明しますと、テーパーは円錐角のことを言い、例えば円筒形では壁は何処まで伸ばしても平行で、交差する事は有りませんが、ほんの少し先細りにしますと、壁を伸ばしますと必ず先で交差する事になります。

すなわち、先細りにする事によって、その先でぶつかります。このぶつかった時に出来る角度を円錐角と呼んでいます。

この円錐角は1度から179度まで存在します。わずかな円錐角をつけた場合、これを2重にすると、外す事が出来ない程強く食い込んでしまいます。

反対に平な板を2枚重ねた場合には、剥がすには全く力はかかりません。
この外すのに抵抗する角度、すなわち維持力を何度にしたらコーヌスクローネの維持力として適当であるか、すなわち歯根膜を保護し、義歯が外れない力であるかを計測してみました。

すると、円錐の角度は12度が必要な角度で有り、外す時に必要な力は600グラムであることがわかりました。
この外す力を応用したのが、コーヌスクローネの維持力であり、これが基準となりました。

コーヌスクローネの場合は、単独で1歯の場合は少なく、ほとんど複数の歯を使うので、それぞれの歯の平行関係が取れている事が少なく、歯軸の方向が違っています。

そのため支台歯の平衡関係がうまく取れません。各歯に12度のテーパーを付けようとするとアンダーカットが生じてしまいます。そこでコーヌス角が生まれました。

テーパー12度の2分の1をコーヌス角度とし、傾斜の角度を片面で6度がコーヌス角度と呼ぶようになりました。
しかし、歯軸に対し6度に内冠を作ろうとしても、傾斜のある歯ではアンダーカットが生じてしまいます。

6度に形成したものでは装着方向に対し、6度の余裕が生まれますので、そこで生まれた物がコナトアという道具です。
コナトアは装着方向からさらに6度の余裕をみて、12度を1度と11度、10度と2度、9度と3度、8度と4度、7度と5度、6度と6度に分けられます。

この原理を応用したものがコナトアです。
これは義歯の装着方向が決定してから、さらに6度の範囲以内に調節が出来るため、装着には何ら障害のないようになりました。
それにより審美性の向上、衛生的配慮が出来、コーヌスクローネの価値が高まりました。

コーヌスクローネを応用しようとした場合には技工の重要性が高まりますので、その技工を行うためにはミリングマシン、研磨機、コナトアを使っているか否かを聞いて下さい。

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⇒コーヌスクローネの効果について疑問をお持ちの方はこちらの記事をぜひご覧ください

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