コーヌスクローネに対して疑問をお持ちの先生方へ

コーヌスクローネに対して疑問をお持ちの先生方へ、稲葉繁がその質問にお答えします。

Q1.コーヌスクローネの支台歯を印象した後、セットするとき、支台歯が動いてしまっていて上手くセットできませんでした。

結局、義歯の外冠を削って収めましたが、維持力が落ちてしまいました。

何かよい解決策はありますでしょうか?

A. 正確なコーヌスクローネの製作方法は正確な操作手順によるものと考えてください。

1. 診査・診断・設計
2. 支台歯形成・咬合採得・印象
3. フェースボウトランスファー
4. 模型製作・内冠製作・オクルーザルコア製作
5. プロビジョナルレストレーション
6. 内冠試適・オクルーザルコアによる印象
7. 外冠製作用模型( シチュエーションモデル)の製作
8. 外冠の製作と人工歯排列
9. 試適
10. 完成・装着
11. メインテナンス

という複雑な工程を踏んで完成させます。また、完成まで数週間の期間を必要とします。

そのため、支台歯形成から完成・装着までの期間に各支台歯の位置関係が狂ってしまう危険性が高くなります。

そこで最も注意をしなければならないことは、支台歯形成から完成までの期間に、各支台の位置関係が狂わないようにしなければならないことです。

これを防止するためには、確実なテンポラリークラウンで各支台歯を連結しておくか、テンポラリーデンチャーで固定することが重要です。

支台歯は生活歯を使用することが原則です。

やむを得ず失活歯を使用する場合には、義歯とクラウンを連結して一体化して使うことが出来ますので位置関係が狂うことはありません。

しかし、生活歯の場合にはテンポラリークラウンでしっかり位置関係を保ち、そこに正確な義歯を装着をする必要があります。

このように確実な段階を踏んでいけば精密なテレスコープデンチャーを完成することができます。

この道順を踏まずに完成すると失敗につながり、現在の間違ったコーヌスクローネの評価になってしまいますから、基本を守っていただきたいと思います。

*:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆*:゜・:,。*:.。o○☆゜・:,。

なるほど・・・

1本のセラミック治療も、印象してからセットまでの間、きちんとしたテンポラリーを入れておかないと、コンタクトが狂うのと一緒ですね!

一番大切なことは、治療中も患者様が不自由なく食事や会話ができることなので、常にテンポラリーをしっかり作ることは大切なことだと思います。

Q2.コーヌスクローネのオクルーザルコアとは、何でしょうか?
どのような役割があるのか教えていただきたいと思います。

A. 大変重要なコーヌスのステップを指摘していただきました。

この工程は、コーヌスクローネの精度を上げるためには必要不可欠です。

私がドイツのチュービンゲン大学で実際に患者様を治療した時にケルバー教授から指導を受けてきたテクニックです。

コーヌスの内冠ができた時点で試適を行います。

試適の際、ラボで製作した内冠の位置関係は、患者様の口腔内の位置関係と正確に再現できていなければ、外冠製作の位置関係が合わなくなります。

その時大変重要なことは、オクルーザルコアの使用です。

これは最終的にコーヌスクローネが出来上がった時に位置関係が正しく再現されているかどうかの確認となります。

模型上の最終義歯と実際の口腔内が、同じ関係になるように、一体化したオクルーザルコアと称するディバイスを作っておきます。

オクルーザルコアの材料はパターンレジンを使用し、内冠の咬合面より1mm程度の厚みで、補綴物単位で連結したコアを製作しておくものです。

内冠試適後に外冠製作用模型(situation model)を製作しますが、その時オクルーザルコアで内冠同士を連結固定し、その後個人トレーを用いて全体の印象を取ります。

その後内冠を印象内に押し付けて、浮き上がりのない事を確認し、ここにレジン歯根を植立した後超硬石膏を注ぎ込んで外冠製作用模型を作ります。

この方法は日本では紹介されていません。

例えば、トランスファーコーピングを作り、それを用いて外冠模型を製作する方法では、、最終義歯の精度が出ません。

さらに、内冠完成後これをセメントで装着してからそれを印象し、直接外冠製作してしまうことまで紹介されていますが、これは間違っています。

このような間違った方法が行われていますので、コーヌスクローネの評判が落ちてしまい非常に残念です。

私は1980年以来、多くのコーヌスデンチャーを行っていますが、それが現役で機能している症例も多くあり、現在でもコーヌスクローネは多く手がけています。

先生方にはぜひ『正統派コーヌスクローネ』を患者様に提供していただきたいと思います。

*:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆*:゜・:,。*:.。o○☆゜・:,。

なるほど・・・・

コーヌスクローネの位置関係を確実に再現するために、なくてはならないオクルーザルコア。
数ミクロンのズレが失敗を招きます。

なんとなく、手で削って合わせてしまうということが、数年後に失敗を招くので、必ずオクルーザルコアを使用してくださいね!

IPSGでは、コーヌスクローネの技術を一冊にまとめた書籍『正統派コーヌスクローネ 基礎と臨床』の販売をしております。

他では入手することができない一冊、ぜひお手に取っていただけたら幸いです。



⇒書籍の詳細はこちらから

カテゴリー: ブログ   パーマリンク
ȋZH Weber dental labor