’14 4/12,13(土,日)『顎関節症ライブ実習コース』が開催されました

こんにちは。
IPSG事務局の稲葉由里子です。

4月12日、13日は顎関節症ライブ実習が行われました。
レポートを佐藤孝仁先生よりお送りします。

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4月12日は毎年一回行われているIPSGの顎関節ライブ実習が行われました。

一日半で実際の患者様の診断から治療まで行っていきます。

顎関節症に関するセミナーが多くありますが、実際の患者様をその場で治療して治していく実習なんてあまりご覧になったことがないかと思います。

先にお伝えしますが、実際の患者様の映像は上げない様にしていますのでご了承ください。


一日半の流れですが、12日は診査診断を行い、13日にその診断をもとに治療を行っていきます。

12日は咬合診断を行っていきます。

IPSGの咬合診断はKAVOの咬合器と顎機能検査器具ディグマ2を使って行いますが、その他触診や姿勢やといろいろな情報をもとに診査診断を行ってきます。

最初はライブ実習の前に稲葉繁先生から今回お実習にあたり知っていただきたい顎関節症治療の講義を1時間ほど行いました。

また、ドイツでの顎関節症治療の実際からドイツで行われている歯科治療の全般のお話をしていただきましたが、日本の歯科事情しか知らない先生方にとってはとても衝撃的な内容であったかもしれません。

日本の歯科界の顎関節症の治療法についても少し触れていましたが、現在の日本の歯科界では顎関節症は咬み合わせとは関係ないということになっています…

しかし、稲葉繁先生はIPSG始まって以来20回もライブ実習を行っていますが咬み合わせを治すことにより改善されてきましたので、やはり顎関節症治療は咬み合わせが大きく関与していると説明されていました。


基本的に今までのIPSGで顎関節症のライブ実習を行う際、稲葉繁先生はどんな患者様なのかを全く知りません。

ライブ実習の日が初診になります。

それは受講生の先生方も実際の診療ではそのような状態ですし、問診の仕方から治療までを先生方にお伝えしたいという気持ちがあるためです。
本当に頭がさがります。

今回の患者様は衛生士の方でした。
顎関節部の状態が悪いのですが、顎間節部が痛いというわけではなく、頸椎湾曲があり、左側の咬筋の痛みや肩こり、偏頭痛があるとのことでした。

顎関節症を治せば頸椎湾曲が治るとまではいえませんが治る可能性は多少あると思います。

今までいろいろな先生に行かれたそうですが、噛み合せは関係ないと言われてきたそうです。

しかし、ご本人が噛み合せにあるのではないかということで稲葉歯科医院のホームページをご覧いただき、IPSGの実習で咬み合わせを見ていただきたいということで、今回の患者様になっていただきました。

                       
まず、患者様に問診をし、筋触診の仕方や姿勢の状態を診査されていました。

診査をしながらでも、受講生に分かりやすく一つ一つなぜ咬筋が痛くなるか、胸鎖乳突筋が痛くなるかといった説明がありました。

姿勢の状態はというと、直立したときに左側の方が右の方に比べて下がってしまっているという状態でした。

その後、KAVOの咬合器で咬合診断をするための印象採得、フェイスボウ、セントリックバイト、側方のバイトを採られていましたが、その一つ一つにもいろいろな細かなテクニックがあります。

稲葉先生の技術はきちんとした理論があり、それにより綺麗な印象や正確なセントリックバイトなどを取る事ができます。

この情報をもとに咬合器に模型をマウントし、咬合診断をしましたが、やはり中心位と中心咬合位のズレがありました。

そのズレは詳しくは説明しませんが、以前治された右奥のゴールドインレーが原因のようでした。

やはり咬み合わせに原因があると診断ができました。

きちんと咬合器に付けて咬合診断をせずに、顎関節症は咬み合わせとは関係ないとは絶対に言わない方が良いと思います。

診断した後に、咬合に何の異常もない場合に、ようやくそのような診断になってくるのではないでしょうか。

もちろん咬合器に付けるだけではいけません、その咬合器に付けた模型の診断の仕方がきちんとあります。

それを説明されていました。


この実習は咬合器の模型や口腔な写真、姿勢のバランスの状態、パノラマ写真をみながら受講生の先生方の多くの質問に答えながら、稲葉先生が明日どのように治療していくか説明をしていただけます。

13時から研修が始まりましたが、18時まで休憩なく研修がおこなわれました。
多くの先生方は半日目のセミナーでもかなり充実されていたと思います。


それでは実習2日目です。

本日はKAVOのディグマ2という顎機能検査器具を用いて三次元的な顎関節の状態を把握していきます。

この検査をすることで、術前と術後の違いがハッキリとわかります。
患者様にもこの結果をみながら説明した方がよりいいかと思います。


今回の実習では術前にディグマ検査を行い、前回咬合器上で診断した部位の咬合調整を行って行きます。

そしてその後またディグマ検査を行い術前と術後の比較を行って行きます。
この記録は本当に大切です。


咬合治療は何をしたかというと、咬合器上で干渉がみられたインレーの調整を行っていきました。

この患者様の場合、中心位と中心咬合位のズレはほとんどありませんでしたが、側方運動するときに非作業側に干渉がありましたのでその部分を軽く調整いたしました。

一部紹介いたしますが、術後と術前の開閉口運動の比較です。
左が術後、右が術前になります。


術前は開口時に左にシフトしていくことが分かります。
術後は開口運動がまっすぐになっていました。

治療後は、以前は右奥ばかり噛んでいる感じがありましたが、左側でも噛んでいる感じが出てきましたとおっしゃっていました。

まだ調整したばかりですので、患者様の自覚症状の大きな改善とまではいかないと思いますが、噛みあわせを安定させることにより、中心位と中心咬合位の多少のズレや側方運動時の干渉を取り去りましたので、顎機能検査の検査結果としてはいい結果がでました。

この顎関節が安定している状態で過ごして頂ければ、少しずつ自覚症状の改善がみられてくると思います。

     
毎回この実習では行った顎関節治療のおさらいと詳しい説明を治療後にすぐに行って行きます。


受講生の先生方は昨日今日で実際にみた診療をスライドで復習できるのでかなり勉強ができるライブ実習セミナーになっていると思います。

稲葉先生と共に長く学ばれているIPSG副会長の岩田先生が実習を行いながらスライドを作製していってくれますので、このような神業のようなことが出来るのだと思います。

今回のライブ実習コース報告は以上ですが、多くの先生方はかなり詳しく顎関節症の治療の基本を学べたと思います。

まずは、簡単な症例からこの基本どおりに診査診断し治療をされることです。

今回はライブ実習ですのでまだ咬合診断の仕方がわからないという先生がいらっしゃるかと思います。

それについては、IPSGでは咬合診断を相互に学んでいく4日の実習コースが10月にあります。
※こちらの実習コースはおかげさまですでに満席となりました。

この研修でしっかりと学ばれてから、咬合診断から顎関節症の治療までご自身の診療室で実践されることをお勧めします。

最後に今回は素晴らしいライブ実習を行って頂き、稲葉先生、岩田先生ありがとうございました。

(レポート:佐藤孝仁先生)

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