Seminar report

’11 5/22『ハーモニックオクルージョン(審美と咬合のハーモニー)』開催されました

’11 5/22『ハーモニックオクルージョン(審美と咬合のハーモニー)』開催されました

2011年5月22日「ハーモニックオクルージョン」(審美と咬合のハーモニー)開催されました。

「ハーモニックオクルージョン」(審美と咬合のハーモニー)

全国各地からお集まりいただきありがとうございました。

宮城県石巻、仙台、他にも東北地方からもご参加いただき、先生方の咬合に対する思い入れの深さは本当に素晴らしいし、うれしかったです。

先週一気にお申込みをたくさんいただき、何人かの先生方にはご参加見合わせていただくほどでした。

来年はもう少し大きな会場にしたいと思います(≧ヘ≦)

日本歯科評論で4年間連載していた稲葉繁の「美の追究」の中で、「咬合面は顎運動の象形文字」と書かれています。

咬合面の形態を読むことにより、ある程度の下顎の運動や性状を知ることができます。

前歯が顎の誘導をした時、噛み合った上下の臼歯は咬頭や隆線が互いに相手の溝をすり抜けながら移動します。

いくら見えるところだけ美しい歯を入れたとしても、それが前歯と臼歯のハーモニーがとれていなければその価値はありません。

咬合の大事な知識をきちんと学んではじめて審美歯科が完成すると思います。

稲葉先生は「咬合というと難しいイメージがあるけど、もっと気軽に勉強してほしい。」と話をしました。

審美歯科というと、一部の意識の高い人だけが対象のようなイメージがありますが、そんなことありません。

すべての方が対象だと思って、審美の分析、診断をしてプレゼンテーションする必要があると思います。

口の中に銀歯が入ってる国民は先進国では日本だけです。

アジアの中でも日本か中国かといったところだと思います。(そのうち日本だけになってしまうかも)

稲葉先生は「宇宙からきた人としか思えない。」と言ってました(*・ε・*)

私たちもこの状態に目も慣れてしまってはいけないと思います。

参加してくださった先生方はとても意識の高い方ばかりですが、改めて確信できたセミナーだったのではないでしょうか?

午前中は咬合の話がメイン

午前中は咬合の話がメインで、咬合器の話もありました。

咬合器は10センチの三角形、ボンウィルの三角ができるようなものを最低でも使わないといけません。

◆ ゲーテの色彩学

◆ エッシャーの世界

◆ 目の錯覚

◆ 歯の黄金律、1:1,618の法則

◆ 目は表情の質、口は表情の量

◆ 南カリフォルニア大学のProf.Richterのセミナーを受けた時の審美の法則

そして、ゲッティンゲン大学の教授A.Motschの図を勉強しました。

とても簡単なので、ぜひ先生方覚えていただきたいと思います。

ゲッティンゲン大学の教授A.Motschの図

ゲッティンゲン大学の教授A.Motschの図
 

上下の噛み合わせの基本(大事☆♪)

『下顎は上顎同名歯の近心に噛みこむ。例外は下顎の頬側遠心咬頭は上顎の中心窩にはいる。』

『上顎の咬頭は下顎の遠心窩に噛みこむ。例外は上顎67の近心舌側咬頭は下顎の中心窩にはいる。上顎45はシャープなので遠心窩』

これだけ覚えておけば、かなりすごいです。

これも難しければ、とりあえず、『下顎は上顎同名歯の近心に噛みこむ』を覚えてから例外を覚えるといいかと思います。

上顎の4,5は一番高いところなので、下顎の歯間部に入ると隙間をあけてしまうので注意です。遠心窩で噛ませましょう。

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そして、咬合面にゴシックアーチを書いた模型です。

稲葉先生が下顎にボールペンを植え込み上顎とかみ合わせ、前方運動、側方運動などゴシックアーチの運動をさせたものです。(おもしろいですね)

日本歯科大学卒業した先生方なら稲葉先生の講義で一度は目にしているのでは?

この描かれた通りに咬合調整時、溝を切っていきます。

参加してくださった先生方の感想を一部ご紹介させていただきます。

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◆DVDの中では毎日のように稲葉先生にお会いしていますが、やっぱり生はいいです。基本の上にも基本を大切にして、明日からの臨床にはげみたいと思います。

◆審美歯科は最近の流行りで、形や見た目だけに特化した治療をしているように私は思っていました。しかし、稲葉先生のハーモニックオクルージョンをお聞きしてそうではなく、咬合と審美のハーモニーが大切で、審美も個人的な見解ではなく客観的なデータのもと治療をしていく必要があるのだと気づかされ、大変役に立ちました。今回も楽しく参加させていただきました。ありがとうございます。

◆ 審美歯科では、前歯の色や形態だけでなく、臼歯もみて、咬頭嵌合位のことを考えていく事が必要なのだとわかりました。顎関節と歯列の調和が大切であるということを知ることができてすごくためになりました。『審美』についての歴史やゲーテの色彩学についても知ることができて楽しかったです。ありがとうございました。稲葉先生のお話しを聞くことができて幸せです。

◆DIGMAを用いて製作した修復物の症例、データ、咬合採得、プロビジョナルなど、もう少し細かいところが教えていただけるとうれしいです。

◆シェードの見方(見すぎている事)に気づきがありました。哺乳瓶のNUK早速買ってみます。口蓋皺癖にも注意してみます。

◆今日も大変勉強になりました。本日の咬合の授業にあてはまる患者さんがいらっしゃるので治療にいかしていきたいと思います。

◆普段の臨床の中で審美と機能の両立を目指していますが、非常に難しく思っています。まだまだ理解が甘いですが、今日教えていただいた指標を頭に入れて取り組んでいけば、少しずつ迷いがなくなるのではないかと思います。

◆いろいろな方向から咬合と美を考えられ勉強になりました。咬合診断を深く学びたいと思いました。

◆大変わかりやすいお話しありがとうございました。

◆治療前の診断(審美、咬合)を適切に行う事は治療計画から最終補綴、予後を予想できる分析の重要性を再認識しました。

◆前歯と臼歯のハーモニーがとても大切な事がよく分かりました。単に白い、単に1つ1つの歯がきれいならば良いという事でない事がよく分かりました。患者さんによく「おたくの歯科医院では審美歯科をやっているのですか?」と聞かれます。今日の講義をもとに患者様に何が美しいのかを説明できるようにしたいです。

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「審美歯科」で儲けよう。てっとり早く「審美歯科」を学ぼうという軽い内容ではないことが今回受講された先生方はすでにご理解いただいていました。

今回の感想の中にもありましたが、患者様に何が美しいのか、分析をもとに説明できることが非常に重要と感じました。

すべての患者さんにとって当たり前に必要なものです。

『どんなにすばらしい形や色彩で審美的修復をしたとしても、顎機能や咬合を考えなかったら、大失敗です。前歯の修復は、確実な咬合状態の確立があって、初めて成功します。審美歯科は一部の人が治療する特別な事ではありません。』

そのあたり、今回参加してくださった先生方は深くご理解いただけていました。

稲葉先生の審美に対する考え、文献はきちんとまとめてIPSGのサイトにアップする必要がありそうです。

少しお待ちくださいね。 ご参加頂いた先生方、本当にありがとうございました。

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