’15 5/24(日)【名古屋開催】インプラント時代のテレスコープシステムセミナー開催されました

平成27年5月24日
インプラント時代のテレスコープシステムセミナー

レポート:歯科医師/小西浩介先生

5月24日名古屋KaVoにてIPSGによる『インプラント時代のテレスコープシステム』が開催されました。今回のセミナーはおかげさまで早い段階で定員に達してしまい会場が満員でした。

IPSGでの研修会は東京都で開催されています。名古屋で開催ということで東海地方、近畿地方からの参加して頂いた方が非常に多く全国でテレスコープシステムに対してとても注目されていることが感じられました。

インプラント時代のテレスコープシステムセミナー

講師はIPSG副会長の岩田光司先生と稲葉智弘先生のお二方の先生に講演して頂きました。レポートは前半、IPSG副会長の岩田先生の講演内容から報告させて頂きます。

演題の通り昨今インプラント時代の中、なぜ可撤式のテレスコープシステムなのかということから講演が始まりました。日本の歯科医師の先生方はインプラントを用いて欠損補綴を行うという方が多いように感じます。

インプラント時代のテレスコープシステムセミナー

しかし日本では高齢化社会が進む中、患者様はインプラント治療が怖いことや受けたくても骨がないのでできない、年齢的に管理しやすい義歯を希望される方は少なくはありません。今や可撤式のテレスコープシステムを含む義歯が歯科用雑誌でも数多く取り上げられ再注目されています。

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日本では20年程前にテレスコープシステムの一つであるコーヌスクローネのみが多くの歯科医師の中で爆発的に流行しました。

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しかし予後が悪いなどの理由から数年で廃れてしまったことは多くの歯科医師、技工士の先生方が記憶されていることだと思います。

その原因は誤った方法で使用していたこと、日本ではコーヌスクローネのみしか知られていなかったため症例を問わずコーヌスクローネが使用されていたことが考えられます。

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コーヌスクローネの基本的な構造、作製方法を教えて頂きました。コーヌスクローネは必ず器械研磨で仕上げること、テーパー角ではなくコーヌス角を6に設定すること、失活歯は原則使わないことなどです。

ドイツで行われている正式なコーヌスクローネを失敗してしまう原因を解説して頂きながらわかりやすく説明して頂きました。

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テレスコープシステムはコーヌスクローネだけではありません。ドイツにはコーヌスクローネよりも歴史が古いリーゲルテレスコープやレジリエンツテレスコープなど様々なテレスコープがあります。

これらは約35年前にIPSG最高顧問の元日本歯科大学教授の稲葉繁先生がテレスコープの本場であるドイツから日本にもちこみました。現在もテレスコープのパイオニアとしてIPSGをはじめ日本で正しいテレスコープシステムを教えることに尽力されてます。

稲葉繁先生からの教えを忠実に実践されている岩田先生から症例を交えながら各テレスコープの特徴や適応症、禁忌症などを説明していただきました。

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その一例を挙げますと片側遊離端欠損ではコーヌスクローネはあまり適しておりません。

咬合時の沈下のコントロールの難しさや支台歯が失活である場合があることを考慮すると予後はよくありません。その場合コーヌスクローネよりもリーゲルが適しています。

このようにきちんと症例で使い分けてテレスコープの種類を選択しないと長持ちはせず過去のような失敗に終わります。コーヌスクローネしか知られなかったことが、かつて日本で廃れてしまった原因のひとつなのです。

ではテレスコープの種類さえ使い分ければ良いのでしょうか?それは違います。基本的なパーシャルデンチャーの設計の方法やきちんとした咬合の診査診断が必要不可欠です。

パーシャルデンチャーの設計についても詳しく解説して頂きました。また、日本の保険制度のクラスプ義歯では限界があるというお話もして頂きました。

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ドイツをはじめヨーロッパを中心とした国々では今もなおテレスコープシステムが多用されており改良を重ね進化しております。テレスコープシステムの歴史は非常に古く120年以上にもなります。

日本の保険制度でのクラスプ義歯はドイツでは使われておらず、ドイツの歯科医師の教育からも外されております。

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日本では高齢になっても歯が残っている人が多くなってきており、義歯になってからの設計、種類の選択を適切にしないと欠損症のドミノを止めることはできないと思います。

ご周知の通りクラスプ義歯では栓抜きのような力がかかってしまいますので、いくら適切な補綴設計をしても限界があるということを挙げテレスコープシステムの有効性を説明して頂きました。次に稲葉智弘先生の講演内容についてです。

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岩田光司先生からもお話がありましたが、テレスコープシステムをはじめほとんどの治療における診査診断の重要性を具体的に紐解いて頂きました。

IPSGではKaVoの咬合器を使い咬合診断、治療に用いることを推奨しております。まずは診断をしてから適切な咬合・補綴をKaVoの咬合器にてデザインをすることからスタートします。

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デザインをするにあたり顎関節に適切な力をかけることで顎関節を守り、欠損のリスクをコントロールできることが重要です。また欠損をこれ以上拡大しない治療方法を選択しないと患者さまの信頼を得ることはできません。

インプラント治療でも義歯でも必ず咬合器での診査診断・治療は必須です。インプラントをいかにどう上手く打つかということも重要ですが、適切な補綴を行い臼歯部のサポートをしっかり考慮しないと長持ちしないのは当然のことだと思います。

今回、智弘先生には多数のテレスコープの症例を発表して頂きました。特に受講生の先生方が大変興味深そうにご覧になっていたのはドイツでは盛んに使用されているシュパルテという特殊な大連結子がスライドに出た時でした。

また症例ではコバルトクロム合金を用いたリーゲルなど最新のテレスコープシステムのお話で盛り沢山でした。今後も日本でもIPSGを筆頭に、ますますテレスコープが改良・進化を遂げそうな将来が想像できました。

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ただし、現在の技術ではコーヌスクローネにコバルトクロム合金を用いるのは様々な観点で疑問が残るとおっしゃっていたのが印象的でした。

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今回智弘先生が予後不良な不適切なコーヌスクローネの症例写真を提示し、もっとも強調していたことがあります。それは『テレスコープシステムにはコーヌスクローネだけではないことを名古屋をはじめ全国に知ってほしい』と。

今回時間が限られた中の講演でしたが、お二方がもっとも伝えたかったことではないでしょうか。

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講演の最後の質疑応答では、時間が尽きるまでたくさんの先生方からご質問を頂きとても有意義な1日になったのではと確信しております。本日はたった1日での、限られた内容で講演させて頂きました。

IPSGでは年間コースの一つとして技工士の先生もお招きして実際のテレスコープシステムの作製方法を見て頂いたり、稲葉繁先生の30年を超える長期症例などもご覧になって頂く機会があります。

さらに理解を深めて頂くためにもぜひIPSGの参加を心よりお待ちしております。
⇒IPSGで開催中のテレスコープに関するセミナーの一覧はこちら


レポート:歯科医師/小西浩介先生

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