Q.胃瘻の患者に対して、摂食嚥下の訓練は、どのような方法があるのでしょうか?

Q.胃瘻の患者に対して、摂食嚥下の訓練は、どのような方法があるのでしょうか?

A. まず、胃瘻とは何かを考えてみましょう。

栄養を何らかの理由で口から摂取出来なくなった。
または、口から食事は出来るが、口腔内を不潔にした為に細菌が肺に入り、その結果として誤嚥性肺炎を引き起こしたなどがきっかけで、胃瘻になるケースが多いです。

認知症で介護を受けている高齢者の場合、嚥下障害があり誤嚥性肺炎を起こす場合があります。
肺炎は現在の死亡原因の3位を占めており、1位は悪性新生物で36万5000人、2位は心疾患で10万7000人、3位が肺炎で12万4000人となっています。

肺炎で死亡する人は94%が75才以上90才以上では死亡原因の2位となっています。
高齢者の肺炎の70%以上が誤嚥に関係しているといわれています。

介護の現場では誤嚥を防止するという理由から口から栄養を取らず、直接栄養を異に流す方法として胃瘻の増設が行われます。
手間の掛かる口からの食事より管理がし易いという理由で胃瘻が増設されているのも事実のようです。

胃瘻の形成は胃カメラを入れ、腹部の皮膚を貫いて針を胃まで刺入し、細いチューブを通し、それを伝って胃瘻チューブを通し固定するものです。

ただし、胃瘻をつくったから誤嚥性肺炎がなくなるかと考えるとはなはだ疑問です。
口から食物を食べなくてもツバを飲み込んだり、胃から栄養液が逆流して誤嚥することがあるからです。

ここで私たちが反省しなければならない大切なことがあります。
人が生き延びるのは栄養摂取が出来れば良い訳ですが、胃瘻にすると食物を摂取する喜び、味を味わう喜びなどを失い、ただ単に生きているに過ぎないという人のQOL(生命の質)が失われてしまいます。

私たち歯科医師はこれまで一番大切な食物摂食機能の回復という領域をおろそかにしてきたという事実は否めません。
あまりに虫歯の治療と歯肉の治療に重きを置き、食べる機能すなわち摂食機能に重点を置いてこなかったと思います。

そして以下の他の分野の人々は歯科の業務を理解していません。
摂食嚥下のような分野は歯科の専門分野であることを理解をえられるようにしなければなりませんが、まだ歯科でもこの分野に取り組んで20年足らずです。

現在日本では摂食嚥下の分野を研究している日本老年歯科医学会を中心に、各地の病院が行われるようになりましたが、日本のこの分野のリハビリテーションの考え方はかなり消極的です。

日本では、口腔内の機能が悪いと、それに合わせた食事形態になってしまっています。
真のリハビリテーションの意味である「本来あるべき状態の回復」障害や症状のある前の状態に戻すことから離れてしまっています。

口腔機能を考えると歯を失ったとしても、元の状態に戻すことが基本となります。
咀嚼が出来にくかったり歯を全て失ったとしても質の良い入れ歯を入れることにより本来の機能を回復させることが出来るようにすべきです。

しかし、介護施設などでよく見かけるのは歯を失うとその状態に合わせた食事を与える傾向があります。
即ち歯を失うと全粥、七分粥、ミキサー食などを与えてしまい、本来の摂食嚥下が回復されていません。

ドイツでもフィンランドでも高齢者施設を見てきましたが、日本のようにいわゆる全粥などの食形態は見ることはありませんでした。
ほとんど正常な形態で、スプーンやフォークなどは健常人が使うものと同じ物を使っていました。

そのことを聞いてみたが、出来る限り正常に戻すことが目的なので、普段使っているものと変わらない事をしていただいてるとおっしゃっていました。
また老人施設では出来る限り階段を上がれるように力をつけることを目標にしていました。

そのために日本で言われるバリアフリーは見られず、寝たきりの方を見る事はありませんでした。

摂食嚥下機能が衰えたときのリハビリテーションとしては歯の無い状態で食べられるような食形態でなく、本来の機能にできる限り回復させることが、リハビリテーションであると思い、私は口腔機能訓練器具である「ラビリントレーナー」開発しました。
このラビリントレーナーを用いた、訓練により様々な効果があることが分かってきました。

摂食機能を回復するために口腔周囲筋、口輪筋、舌を鍛え本来の食事が出来るように訓練を行い、リハビリテーションに取り組んでいます。



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