Seminar report

’14 10/18,19 咬合診断アドバンス実習コース(後半)が開催されました

’14 10/18,19 咬合診断アドバンス実習コース(後半)が開催されました

こんにちは。 稲葉由里子です。
咬合診断アドバンス実習コースのレポート後半は引き続き、歯科技工士の中沢勇太先生からお送りします。

≪後半≫10月18日,19日 咬合診断アドバンス実習レポート 
レポート:歯科技工士 中沢勇太先生

10月18日(土曜日) IPSGセミナールームで咬合診断アドバンスの後半が行われました。
当日は実習は9名 聴講1名の計10名の先生が参加されての実習となりました。

先週は台風で大変でしたが、今回は少し肌寒いですがよく晴れ、実習日和となりました。
まず先週のおさらいを含めた稲葉繁先生の講義から始まりました。

咬合診断についてさらに理解を深められたと思います。
とくに我々技工士が咬合器に模型を装着するときは、見た目上の咬合平面を基準にしてしまいがちですが、実際にフェイスボウを取ってみるとその平面が体のアライメントからはずれてしまっている可能性もあります。

その平面で補綴をしてしまうと顎関節には調和せず、結果として顎関節症をひきおこすことさえあります。
そういったエラーを防ぐためにもフェイスボウトランスファーは必要不可欠であると理解できました。

その後、いよいよ前半で調整を行った飯塚先生の予後についての診断です。
股関節の痛みや左手のしびれは改善が見られましたが、顎関節の改善により新たに早期接触が発生しました。

今回はその早期接触を除去することにより咬合調整の仕上げとなりました。
今回初めて天然歯をほんの少し削合することになりました。

最終的に中心位と中心咬合位が一致し、良好な結果を得ることができました。
大きな画面で削合部位をピンポイントで表示しながらの咬合調整ですので、とても分かりやすかったと思います。

午後になって各先生の模型を用いて、模型上での咬合調整実習が始まりました。
まずはチェックバイトを用いた咬合器のハンドリング講座です。

カボ、プロターエボ7の顆路調整を受講生全員でおこない、咬合調整の基礎であるハンドリングを確実にできるよう特訓です。

その中でも側方顆路角が実際よりもきつく出てしまうときは、平衡側に歯の早期接触があり、その歯牙路が顆路角に現れてしまうということを知り、その対応を学ぶことができました。

図を用いた、わかりやすい講義や、スタッフの先生方のサポートもあり、先生方もハンドリングのノウハウ確実に理解できたのではないでしょうか。

技工士サイドでも補綴物製作を平均値で行ってしまうことが多いですが、顆路調整を知ることでさらに顎関節に調和した補綴物を作ることができると思うので、しっかりとマスターしたいと思いました。

その後、調整された咬合器上での咬合調整を行いました。
咬合面の調整は各歯単位でのゴシックアーチを意識して、咬頭の収まる部分を削り、運動方向を考えて溝を掘っていく手法でした。

今回はギシェー法を用いていました。中心位の調整から行い、中心咬合位との一致を目指します。

これには皆さん大変苦労していたようですが、最終的にはシッカリと安定する位置に削れていたと思います。
この咬合調整法は技工サイドの咬合調整にも共通するところがあり、とても勉強になりました。

この日のまとめとして岩田先生の講義がありました。一日の内容をとても分かりやすく解説していただきました。
審美に関してもセオリーを図に示していただけるので理解が深まります。

最終日の4日目は総論として、顎関節の動きと歯の構造との関係を、参加者皆さんの模型をつかって、実際に作り上げる実習が行われました。

まず拡大した歯の模型に対して、咬合面8要素を粘土を使って再現する実習です。

これは歯の発生順に粘土を盛り上げていくことで、咬頭や隆線、溝や窩がどのように作られるのか、また下顎運動時に咬頭がどの部分を滑走していくのかを身を持って体験することができました。

続いて、等倍の模型の上顎6番をワックスコーンテクニックにて築盛しました。
先ほどの実習より小さく、ワックスを盛り上げるテクニックも必要な実践的な実習となりました。

普段何気なくワックスアップしてしまいがちですが、咬頭や隆線を意識してワックスアップをすることにより、生体に忠実な歯を作ることができます。

また、イミディエイトサイドシフトの有無で咬頭のどの部位が変化し、干渉しないための形態を付与するテクニックを教わり、明日から実践しようと思いました。

ディグマを用いての顎運動の記録のデモンストレーションには、私中沢が被験者となり計測をしていただきました。
以前、ひどい肩こりに悩まされ、夜は自分の歯ぎしりで目覚めることもあるほどでした。

そこで会長の飯塚先生に咬合診断、咬合調整をお願いしたところ、それらの症状が改善しました。
今回のディグマの結果も、中心位と中心咬合位がほぼ一致していました。

被験者としてはつまらない結果となってしまいましたが、咬合調整の実力を改めて確認できました。

その後総論として、4日間の診察の内容や、講義内容をパワーポイントで岩田先生にまとめていただきました。
いつも驚かされるのはその日のうちに診療内容や講義内容がパワーポイントで丁寧にまとめられているところです。

参加された先生方も理解しにくい部分を再度確認できたのではないでしょうか。
4日間にわたって行われた咬合診断アドバンス実習コースでしたが、内容はとても深いものがあり、一度では覚えきれないほどでしたが、私としては今まで曖昧だったイミディエイトサイドシフトの補綴物への反映を知ることができたのが一番の収穫でした。

参加された先生方も実習を通して、明日から使える技術を数多く学ぶことができたのではないでしょうか。
とても充実した4日間でした!

レポート:歯科技工士 中沢勇太先生
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今回のセミナーを受講いただいた先生方から、ご感想をいただきましたのでご紹介いたします。皆様とてもご満足いただけたようで、とてもうれしく思います。先生方の日々の診療に生かしていただければ幸いです。

受講された先生方のご感想

▼中心位採得時に力を入れすぎていたことがわかり採得に自信がもてるようになりとても感謝しています。見学させて頂いている診療室で実習ができ感激しました。実習から懇親会までとてもタフな教授を尊敬します。非常に恵まれた環境で実習でき、スタッフの皆様に感謝いたします。

▼今回の実習でいかに咬合の基礎が大切かまたそれを理解した上で日々の臨床で反復実践することが大切かを学びました。また中心位、体のアライメント等に対する考え方も再確認できました。飯塚先生のライブでもが圧巻でした。咬合調整でここまでできるとは!感動でした。

▼もう一度、ゼロから治療について考えていくのに良いきっかけとなりました。

▼現在の歯科ではかみあわせを見る診断システムが確立されておらず、非常に残念に思います。稲葉教授に教えて頂いた正しい咬合診断できちんと結果をさせる治療をしたいと思います。

▼実際にやったことがないので、これからできるように身内で練習させてもらい、患者さんに咬合診断ができるようにしていきたいです。お弁当おいしかったです。4日間あっというまでした。有難うございました。

咬合認定医コース開催のご案内

IPSG咬合認定医コース
IPSGでは、歯の治療だけに注目せず、歯科医師が担っている「恒常性の維持」の1つである食物摂取系を支える歯科医療を目指しています。

そこでこの度、IPSGが強みとしている「咬合」に特化し、将来の包括的な歯科医師の輩出を目標に、咬合認定医コースを開始することとなりました。

ぜひこの機会に「咬合」を学んで頂いてはいかがでしょうか?
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