Seminar report

’14 9/7(日)『咬合治療の臨床』セミナー開催されました

’14 9/7(日)『咬合治療の臨床』セミナー開催されました

こんにちは。稲葉由里子です。
9月7日(日)『咬合治療の臨床』セミナーが開催されました。
佐藤孝仁先生からセミナーレポートをお送りします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
IPSG包括歯科医療研究会は9月を初めとして、“咬合診断”を基本とする4つの柱「顎関節症」「総義歯」「テレスコープシステム」「筋機能療法」を中心に1年間をかけて学んでいきます。

’14 9/7(日)『咬合治療の臨床』開催されました

 

 

 

 

 

 

このセミナーは、一番始めに知らなければならない“咬合診断”についての基本的な知識を学ぶ研修会です。今回も多くの先生方にお越しいただきました。
まずはIPSG会長の飯塚先生により、IPSG包括歯科医療研究の4つの柱を学ぶ上で、「なぜ初めに咬合診断が必要か」「どういった事を学ぶ研修会なのか」という事を紹介して頂きました。
≪午前の研修≫
稲葉繁先生は日本歯科大学元教授であり、世界各国の咬合などで有名な先生方の講演に数多く参加されました。その知識を集約させた50年の臨床経験と知識の咬合理論を学べる研修は日本でもそう多くはありません。
稲葉先生は、「歯科医療の本質」についてとても重要視されています。
歯科というのは歯だけを診る事ではなく、全身の健康の維持する(恒常性を保つための)医療の1つであり、“咬合の管理”をすることが歯科医療の本質だとおっしゃっています。
しかし、私たちは大学や卒業してからでも、あまり咬合を学べる機会がないのが現状です・・・。受講生の先生方は、稲葉先生の話を聞いて「それではいけない」と思われたのではないでしょうか。
稲葉先生が言うように、本来の私達歯科医師が担うべく咬合についての基本的な知識をきちんと学び、患者様の健康の維持を担う仕事をしなければならないと思います。
咬合診断がなぜ必要かという基本的なことから、どうやって日常の臨床でやっていくかという所まですべてを分かりやすく稲葉繁先生は教えて下さいますので、「これから学びたい」「今後学んでいきたい」「知識の確認をしたい」という先生方にもお勧めの研修だと思います。

’14 9/7(日)『咬合治療の臨床』開催されました

 

 

 

 

 

 

話は咬合診断の必要性についてのお話から、少し具体的な内容に入っていきますが、咬合を考えた治療には大事なポイントがあります。
それは体の中心軸を常に考え、咬合平面がどういった状態になっているかということをしっかりと把握して治療をしていかなければいけないということでした。

’14 9/7(日)『咬合治療の臨床』開催されました

 

 

 

 

 

 

中心軸と咬合平面が直行しているのか、多少歪んでいるのか、そのようなことをきちんと把握し、全身のアライメントに対し咬合平面が狂っていないかを調べなければいけません。
そのためには必ず咬合器とフェイスボウを使った治療が必要です。
その他に大切なこととして、顎口腔系の力は三級の梃にする、稲葉繁先生が考案した将棋の駒理論など基本的な咬合に対する知識の説明をされていました。これらの簡単なルールを知ることで、基本的な咬合治療は行うことができるとおっしゃっていました。
確かに、私もたぶん難しい咬合理論を教えられたら今まで実践できなかったと思います。稲葉先生が教えてくれたのはこの研修でも説明されていた簡単なルールであったので、咬合を意識した治療が行えるようになったのだと思います。
私は研修が終わってすぐ、稲葉歯科医院に勤務させていただいたのですが、咬合診断をして治療をするという基本的な手順を崩さずに治療をしてきました。
そのお蔭で、今では咬合診断は当たり前の行為となっていますし、多数歯欠損症例でも顎関節症の治療をしても、特に難しい治療をしているとも思わなくなりました。これはただ単なる私の自慢などではありません、IPSGで真剣に学び臨床にいかされている多くの先生方が体験されていることかと思います。
私のつたない経験でお伝え出来ることとしては、難しい事を簡単なルールとして稲葉先生に教えてもらい、それを疑うことなく、咬合診断を基本として臨床を1つ1つ積み重ねていくことがとても大切だと思います。
また、午前中は咬合の話だけではなく、稲葉先生は古生物からの視点などから歯についての知識などを教えてくれました。

’14 9/7(日)『咬合治療の臨床』開催されました

 

 

 

 

 

 

その中で、犬歯誘導の起源などのお話もされました。犬歯誘導がいつから出来てきたのか、それまではどのような咬合であったかなども教えていただきました。このような話を聞く機会はほとんどないと思いますので、初めて受講された先生方も興味深い内容であったと思います。
午前中の研修は、歯科医療の本質、咬合診断の必要性とポイントといった基本的な内容を説明いただきました。
≪お昼休み≫
余談になりますが…
稲葉先生は「お弁当の質で、研修会の質は決まる!」とおっしゃるくらいIPSGではお弁当にもこだわっています。
私も様々な研修会に参加させていただきますが、お弁当の質と研修会の質は確かに比例していると思います!お弁当が美味しい研修会はいい内容の研修会のことが多いです!
今回は深川飯で有名な“升本”のお弁当でした。やっぱり美味しかったです。

’14 9/7(日)『咬合治療の臨床』開催されました

 

 

 

 

 

 

≪午後の研修≫
午後は午前に講義した内容を少し深めた内容になります。大学でも学んだことのある内容も含めて、1つ1つ丁寧に説明されていたので、とても分かりやすく感じました。
咬合の基礎という研修会ですので、もちろんスピーの彎曲など基礎的な知識の確認なども行っておりました。
また、当然ですが咬合の基礎ともいえるポッセルト教授のホッセルトフィギィアのスライドを用いて、下顎の限界運動についてもご説明されていました。ポッセルト教授の写真はみなさん初めてご覧になったと思います。

’14 9/7(日)『咬合治療の臨床』開催されました

 

 

 

 

 

 

 

稲葉先生は、ポッセルト教授にはお会いしたことがないとこのことでしたが、顎関節症で有名なクローポールセン先生やジャンケルソンの分類で有名なジャンケルソン先生、ナソロジーで有な名チャールズEスチュアート先生やラウリツェン先生といった著名な先生、アイヒナーの分類で有名なアイヒナー先生、総義歯で有名なハンスシュライヒ先生、リーゲルテレスコープ義歯で有名なケルバー先生の研修を直に受け、一時情報を得てこられました。
きちんと学んでこられた先生なら一度は聞いたことがある有名な先生ばかりです。こういった先生方の知識を集約させた講義を聞くことが出来る事は本当にとてもすごいことだと思います
内容はさらに深くなり、中心位についての話になります。

’14 9/7(日)『咬合治療の臨床』開催されました

 

 

 

 

 

 

 

中心位とはどんな状態かという解剖的なスライドも用いながら説明していただきました。解剖の状態をみることで、中心位という状態をより具体的に理解することが出来ます。
多くの先生方が今まで中心位をよく理解できないとおっしゃいますが、稲葉繁先生の講義を聞くと、中心位という位置(空間)を三次元的に理解できるので、中心位を意識した診断から顎関節症などの治療を行えるようになります。
私の話になりますが、稲葉歯科医院に勤務してまず初めに顎関節症の治療のみを1年間行うと決めました。直感ですが、顎関節部を理解することが咬合を理解する上で一番近道だと感じていました。
1年、顎関節症ばかり治療させて頂いたお陰で、咬合という部分がかなり三次元的に理解をすることができました。つまり、私は1年間、主に中心位という事だけを意識して治療してきたのだと思います。
やはり、今回の研修においても稲葉繁先生は「中心位という位置(空間)を三次元的に理解することが咬合を理解する上で一番大切」とおっしゃっていました。もちろん、咬合診断を行う上では顎関節部の状態だけではなく、口腔周囲筋の診査なども必要です。
午後の休憩を10分ほど取り、休憩中に平衡側の干渉についての質問がありましたので、犬歯誘導についての説明から始まりました。
スライドで犬歯誘導とグループファンクションの違いや、適切な犬歯誘導の与え方についても説明されていましたので、質問をされた先生もよくご理解いただけたかと思います。
咬合理論の歴史や必要性、咬合診断とは何かということはもうご理解いただけたところで、実際の咬合診断の手法について説明されていました。
このような流れをきちんと順を追って学ぶことで、なぜ咬合診断が必要でどういった事をすることが咬合診断なのかという理解が深まります。手順としてはスライドと実際の15年経過症例を用いて1つ1つ説明されておりました。

’14 9/7(日)『咬合治療の臨床』開催されました

 

 

 

 

 

 

 

このような稲葉繁先生の初診時から15年経過のフルマウスの治療をご覧になり、受講された先生方はとても驚かれたと思います。やはり、フルマウス治療で15年以上たってもほぼ問題ないというのはとてもすごいことです。
また、講義だけでは詳しく良くわからないという先生のためにIPSGでは咬合診断の4日間の相互実習を行っております。そちらを申し込んでいただき、より実践的な内容を学んでいけるようになっております。
また、稲葉繁先生のもとで15年もの間学んでこられた岩田光司先生による『咬合診査・診断の入門実習コース』なども定期的にこれから行っていく予定でありますので、そちらを受講していただければと思います。※セミナー詳細はページ下部をご覧ください※
今日は1日かけて、咬合理論から実際の臨床にどのように生かしていくかという事の流れをおって稲葉繁先生に説明いただきました。頭がパンクしてしまいそうな先生もいらっしゃったかと思いますが、年間を通してゆっくり学んでいただければ少しずつ理解できますのでご安心ください。
今日は充実した咬合理論を1日かけてお話頂き、稲葉繁先生ありがとうございました。
(レポート:佐藤孝仁先生)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今回のセミナーを受講いただいた先生方から、たくさんのご感想をいただきましたのでご紹介いたします。
皆様とてもご満足いただけたようで、とてもうれしく思います。先生方の日々の診療に生かしていただければ幸いです。

<<受講された先生方のご感想>>
▼大学、大学院教育でも咬合の歴史から学ぶ機会は少なく、実際の臨床で起こる問題を「知らない」間に見過ごしていることが多いと感じております。卒後5年ですが日々の臨床の中でやっていること、判断していることが正しいか考えさせられます。
▼10年以上も毎日院長の話を聞いて診療アシストしている訳ですが、今日の話を聞いて治療の価値を患者さんに受け取って頂く為にも正当な代金を頂く必要性を感じました。そのためにもDr、スタッフが患者さんの距離を上手に保ちつつ、質の高い診療を提供、受け取って頂ける様、出来るだけ行っていきたいと思いました。
▼毎日の診療の中で何気なく行っていることが詳しく説明が聞けてとても勉強になりました。貴重なお話が聞けて時間がとても早く感じられました。今日は有難うございました。
▼今回、参加させて頂けてとても良かったです。普段の診療からも、咬合の重要性は理解していたつもりでしたが、稲葉先生ののわかりやすい言葉で説明して頂いたことにより、更に考え方が深まったように感じます。長い時間有難うございました。
▼咬合についての導入を分かりやすく講義して頂き、大変有意義でした。学生の頃稲葉教授の授業がなかったことが非常に残念でした。
▼ただ模型を見るだけで補綴を作るのではなく、もっと関節、筋肉を意識した、イメージしながら作成しようと思います。今回の講義で少しイメージがわきました。帰って本を読んで知識をもっと復習したいです。
▼咬合が高いから削る、低いから足すではなくしっかりとした診査、診断による調整を行わなければいけないと感じました。
▼咬合調整だけで関節の治療をされたのを見て本当に感動しました。正直今回だけではまだまだ理解が出来ていませんので、また受講させて頂きたいと思います。有難うございました。
▼今日の咬合治療の臨床は私が一番楽しみにしていたセミナーです。咬合関係のセミナーは色々受講しましたが、稲葉先生のセミナーが一番分かりやすかったです。できれば2回、3回と繰り返し受講して、自分のものにしていきたいです。

〒101-0021
東京都千代田区外神田4-7-3 田中ビル5F
TEL:03-3525-8314   
FAX:03-3525-8317