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Q:レジリエンツテレスコープで保存可能な動揺度、あるいは利用可能な基準について教えてください

Q.レジリエンツ・テレスコープを利用する場合、その歯牙は歯周病が進行した歯牙にも適応できるとお聞きしました。

Millar分類3度は保存不可能と思われますが、動揺度2度程度でしたら利用可能なのでしょうか?
保存可能あるいは利用可能な基準があれば、教えてください。

A.レジリエンツ・テレスコープシステムは、少数残存歯顎のカバーデンチャーによる補綴治療に用いるテレスコープシステムの一種です。

基本的には、片顎で1歯から3歯までの少数残存歯症例に適応されます。

コーヌステレスコープクラウンの内外冠は、直接に嵌合しリジットに適合するのに対し、レジリエンツ・テレスコープクラウンは内外冠に緩衝腔を設けて、義歯に咬合圧が加わったときにその荷重は顎堤粘膜が負担します。

ドイツチュービンゲン大学歯学部のDr. M. Hofmannによって1966年に発表され、その後の臨床例の追跡調査及び報告も行われています。

合計100症例以上における平均予後8年経過症例を追跡調査した結果では、その40%に残存歯の安定化が認められ、残存歯の動揺が増した症例は35%であったという報告があります。

残念ながら、レジリエンツ・テレスープシステムに関する論文は少なく、それらはドイツ語で書かれています。

PubMed検索においても、“レジリエンツ・テレスコープ”、“動揺度”、“Millar分類”のキーワードでヒットしてくる英語論文はほとんどありません。

医中誌の検索でも同様です。よって、現時点で動揺度の適応基準は明確にお答えできません。

引き続き論文検索を行う予定ですので、新たな論文を発見しましたら後日ニュースレターで報告させていただきます。

しかし、我々臨床家の中では、その有用性は実感しています。
義歯作製後20年症例もあります。

その中で、残存歯の動揺度が減少すること、周囲歯肉の状態が安定することも珍しくありません。

ただし、適応基準と一つとして、支台歯の軸方向及び内冠のパラレル面を、顎堤の着脱方向に近づけることが大切です。

動揺度に関しては、Millar分類2度でしたら適応範囲と考えます。
最も大切なことは、レジリエンツ・テレスコープシステムを行う目的です。

それは、カバーデンチャー(総義歯タイプの床義歯)に適応すること、将来残存歯が保存不可能になっても義歯床の簡単な修理を行うのみで、義歯はそのまま使用可能なことです。

つまり、“残っている歯を抜きたくない”“残っている歯を少しでも長く使いたい” という患者さんの要求に対応できるテレスコープシステムなのです。

“あなたの歯がいつ抜けてしまうか、現時点で予測できませんが、まずは歯を残しましょう!!”

と伝えることで患者様は安心感を持ち、信頼関係が構築できることが大切です。

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