’17 7/2(日)『総義歯の基礎と臨床』セミナー開催されました②

2017年7月2日に行われましたIPSGセミナー総義歯の基礎と臨床、午後の部をご報告させていただきます。

最初に、IPSG代表稲葉繁先生より、総義歯における上下同時印象の根本的な考え方として、上下一対の化石のように、しっかりとした咬合器を使用して、2つになったものを1つに戻すという概念が示されました。


次に、総義歯の臨床の症例をもとに、その各ステップを解説していただきました。

スタディモデルの印象、正確な模型の製作法、咬合高径の決定要素、中心位とタッピングポイントの違い、印象採得とフェイスボウトランスファー、人工歯の選択基準、咬合器への付着、人工歯の排列法などの要点を簡潔に解説していただくことによって、おおまかな流れと各ステップの重要性が理解できました。


次に、IPSG副会長岩田光司先生より、より具体的な総義歯制作における工程や注意点を解説していただきました。

まず、排列法について説明されました。
きっちり数値を定められた排列法のため、迷うことなく誰でも所定の位置に人工歯を並べることができます。


重合については、イボカップシステムについて詳しく説明していただきました。


その後、IPSGにおける総義歯制作において、初期段階でおこりがちな疑問について、実習の模様と照らし合わせながら解説していただきました。

スタディモデルの採り方、顎位の決め方、精密印象のコツ、義歯の形のお話をされました。


ゴシックアーチトレーサーの描記法については、口腔内の三点でピンを植立するという、IPSG独特の方法により行います。

その時、上下咬合床の間には、パラフィン約二枚分の隙間を設け、舌側と頬側のシリコーン印象材が行き交いやすくします。
上下同時印象における個人トレーの要点と言えます。


ゴシックアーチにより顎位を決定し、テンチャースペースをとり、フェイスボウトランスファーまで同時に行われる同時印象において、精密印象のコツとしては、シリコーン印象材を多く入れすぎないことが重要です。

又、印象中にも閉口運動、イーウー運動、嚥下運動等をしていただき、口腔周囲筋の印象を確実に採ることも重要な点です。


その他にも、義歯を安定させるために重要な、口腔周囲筋についても解説していただきました。

上下同時印象された印象の外形をよく見ると、完成された義歯の外形とよく似ていることに気づかさせます。

それは、印象に印記された筋肉の形が、そのまま義歯に反映されていることを証明していることでもあります。


ポストダムを付与するための、軟口蓋と硬口蓋の境目の位置についても、様々な資料を参考に提示されました。

またポストダムの深さや範囲についても具体的な数値が示されました。

その後、休憩を挟み、稲葉繁先生による質疑応答の時間となりました。

その中で、オーラルディスキネジアの症例についても触れられました。


舌の動きによって、義歯を外側に出してしまうようなケースでは、舌側の研磨面の形態を段差をつけないことによって、解消できるとのことでした。

今回のセミナーでは、後日行われる総義歯ライブ実習を前にした、座学的要素の強いものでしたが、その他にもレジリエンツテレスコープや、麻痺のある患者様への対応など、上下同時印象法におけるアレンジについても講義していただき、内容の濃いものになったと思います。

レポート/Weber Dental Labor Gmbh 歯科技工士 石川太一

<<受講された先生方のご感想>>

▼上下顎同時印象の方法をビデオで詳しく見せていただき、とてもわかりやすかったです。
患者さんに義歯ができるまで時間がかかり、大変だと言われることが多いので、来院回数が少なく患者さんの負担もかなり減るので本当に素晴らしいと思います。
機会があったら、ライブ実習も参加したいと思います。
有難うございました。

▼大学では教わらなかったことを沢山知って、見ることができてとても良い刺激になりました。

▼義歯の上下顎同時印象法の流れがよくわかりました。
サブリンガルルームや床外縁の形も詳しく説明していただたので良かったです。

▼シュトラックデンチャーについて余すところなく、聞きたいことが聞けました。有難うございました。

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