Q.日本の従来の総義歯とシュトラックデンチャーを原型とする稲葉先生の総義歯の違いについて

Q.日本の従来の総義歯とシュトラックデンチャーを原型とする稲葉先生の総義歯の違いについて教えてください。

A.日本の多くの大学で行われている総義歯はヨーロッパのギージーの流れを汲むものです。
ギージーによるシンプレックス咬合器に与える顆路傾斜は30度に設定し、切歯路角は顆路も同様に30度に設定します。

したがって咬頭傾斜角も30度となり、フルバランスドオクルージョンが生まれます。

この時臼歯の排列はスピーの湾曲を作るように咬合平面を基準に排列します。
この時上下の歯槽堤の最も高いところを結んだ角度、いわゆる歯槽頂間線を基準に排列しますがしばしば上顎の歯列が小さいときは歯槽頂を基準に排列する関係から正常に排列できない場合があります。

その角度は80度が基準で80度を超えると交叉咬合排列を行う必要があります。
いずれにしても歯槽頂を基準にした排列をするように指示されています。

その結果上顎の排列は歯列弓が舌側になり、頬の粘膜との間が空く結果となります。
そのため食物の停滞を招いてしまいます。

シュトラックデンチャーでは元歯が有った所に排列するのが原則であるため、歯槽頂とは関係なく口腔周囲筋のバランスの良いところに排列しますので、頬側に食物の停滞を招くことを防ぐことが出来ます。

シュトラックデンチャーに使用する人工歯は咬頭傾斜25度のオルソシットを使用しますが、咬合平面の傾斜などを考慮すると最終的な矢状顆路角は30度程度になります。

老人の下顎頭は平たんになっていることがほとんどであるため、顆路を計測しそれを咬合器に与えても顆路が修復されることは望めませんので、平均的な顆路を与えて下顎頭のリモデリングを期待するのが良いと思います。

シュトラックデンチャーは義歯が下顎頭を誘導するというコンセプトですから、しっかり上下顎ともに吸着する義歯を作ることが必要です。

これらの条件を満たす方法は上下顎同時印象によるデンチャースペースが再現できる私の方法が一番優れていると思います。



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