Q.スチュアートの咬合調整法、ギシェーの咬合調整法について教えてください

Q.稲葉先生が教えられている、スチュアートの咬合調整法、ギシェーの咬合調整法について、詳しく教えていただければと思います。

A.咬合調整法には、Glickman、Schuyler、Ramfjord、Lauritzen、Stuart、Guichetなど様々なものがありますが、私は、その中でもStuart、Guichetの咬合調整法を臨床に取り入れています。

スチュアートの咬合調整法

今回は、まず、スチュアートの咬合調整法についてお伝えします。

スチュアート法は三点接触の中心位咬合と犬歯誘導を得ようとする方法であることを覚えておいていただきたいと思います。

■調整順序

1.前歯切端位
咬耗面がある場合は、上下咬耗面を合せた位置での臼歯部の接触を全て除去します。

2.犬歯切端位
咬耗面がある場合は上下咬耗面を合せた位置での臼歯部の接触を全て除去します。

3.Near centricでの調整
1.2の位置より更に中心位よりの位置での臼歯部の細かな接触を除去します。

4.Centricでの調整
中心位での早期接触を居挙止、中心位咬合を確立します。

スチュアート法を行うにあたっては、咬合面の解剖学的な形態(発育溝、副溝、咬頭、隆線の位置方向)を学習し、病的な接触を平に削除するのではなく、溝を付与して解剖学的形態を補ってあげることが重要となります。

そして、もう少し詳しくご説明させていただくと、

▼1.2.3の段階
●前方位での調整
BULLの法則に従います。
近心傾斜歯による干渉は、近遠心的な溝を付与して除去します。

●側方位での調整
側方位をとらせた時、平衡側の下顎角に手を当てて、
作業側方向に押すとサイドシフトがあるならば容易にその位置まで顎をもっていくことができます。

●作業側
BULLの法則に従います。
小臼歯部には例外がある場合が多いです。
中心位咬合にしたとき、小臼歯部が1歯対1歯の対向関係になると考えられる症例では下顎小臼歯部の頬側咬頭遠心にトーマスノッチと呼ばれる切痕を付与します。
この場合上顎頬側頭咬頭の審美性も加味し、これを削除するかどうかも検討してください。

●平衡側
支持咬頭の内斜面に対向します。
支持咬頭の通る溝を形成します。

▼4の段階
上顎の近心斜面と下顎遠心斜面が接触するので、一般的には解剖学的に溝があるべき斜面の方に溝を付与し、高さを減じます。
前歯が接触している場合には、上顎前歯舌側を削除します。

スチュアートによれば、この全段階を通じて支持咬頭を削除しないことになっていますが、私たちが行う場合、支持咬頭上の咬耗面を整理して、その形を整えてから調整にかかるといいでしょう。



ギシェーの咬合調整法

次に、ギシェー法です。

■調整順序

1.中心位の早期接触を除去します。
接触している部位を上下とも削除します。
ただし、この時セントリックストップを失わないように、また、セントリックストップの位置が咬頭頂と窩底となるように、咬頭をシャープに窩底を広げるように削ります。

2.前方運動時の干渉、接触の除去

●平衡側
支持咬頭の内斜面を咬頭頂(セントリックストップ)を残して削除し、この咬頭の通り路を対向する支持咬頭内斜面に形成します。

この時窩底につくったセントリックストップを削除しないように気をつけてください。

●作業側
上顎舌側咬頭の外斜面を咬頭頂を残し削除します。
下顎の舌側咬頭内斜面については求める咬合形式が犬歯誘導かグループファンクションかによって、

またグループファンクションにしてもどの歯まで接触させるかで接触させる歯させない歯が出てきます。

接触させない場合は下顎咬頭外斜面を削除し、この咬頭い通り路を上顎咬頭内斜面に形成します。

接触させる場合でも広報の歯が強くあたるのは干渉であるので、同時に接触するように調整します。

犬歯誘導の場合は、このような臼歯部接触はすべて除去します。

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スチュアートの咬合調整法との違いは、中心位の調整を最初にやるか最後にやるかということですね。

どちらにも共通する原則は、不正なテコ現象の視点となるような咬合接触を取り除く事、そして咬頭嵌合時に臼歯には歯軸方向に力、荷重が加わるようにすることです!

ちなみにBULLの法則、MUDLの法則、DUMLの法則についてもお伝えしておきます!


◆BULLの法則

咬合調整の時に咬合紙の色が印記された歯が上顎と下顎どちらを削ったらいいのか悩むことがあります。

その時、どちらを削るのかという法則です。

ぜひ、模型をみていただいて、確かめていただきたいと思います。

・非作業側→上顎では下顎歯の咬頭が通過できるよう。また下顎には上顎歯の咬頭が通過できるように、溝を形成します。

・作業側→BULLの法則を適用します。

BULLの法則といいうことは、上顎(U)の頬側咬頭(B)、下顎(L)では舌側咬頭(L)を削るというルールです。


◆MUDLの法則

中心咬合位から中心位に導くと上顎の近心斜面と下顎の遠心斜面があたりますよ。

という法則です。

BULLの法則と違って、どちらを削るというものではありません。


◆DUMLの法則

下顎を前方に導くと、上顎の遠心と下顎の近心が接触するという法則です。

犬歯が誘導時はあたってこないけど、前歯の誘導がなかったときは上顎の近心斜面と下顎の遠心斜面あたるということです。

ということで、どちらを削るというのはBULLの法則だけです。

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言葉にすると複雑ですが、実際体験していただくと、簡単です。←稲葉先生より

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