Q.テレスコープシステムの印象について教えてください

Q.テレスコープシステムの印象について教えてください

※この質問は、IPSG包括歯科医療研究会副会長である岩田光司先生がお答えします

A.ご質問ありがとうございます。

テレスコープは維持歯・大連結歯・維持格子・外冠・義歯床からなり、それぞれに適切な印象法を行います。

具体的には、

① 内冠となる支台歯の精密印象
② 外冠・大連結子製作のための印象
③ 義歯床の粘膜沈下を考慮したアルタードキャスト機能印象


の3つです。

以下、ひとつひとつ説明してまいります。


①支台歯の精密印象
歯頸部を明瞭に印記することは、根面う蝕予防のためにとても重要です。
テレスコープシステムの内冠は円錐の形態をしており、天然歯よりも清掃しやすくなっています。

特に高齢者は手指の可動能力が低下しているため、このような円錐形の内冠は天然歯よりも清掃するのに優位なのです。

印象には2つの方法があります。

■寒天・アルジネート連合印象法の場合
寒天で支台歯を覆い、硬化した後にアルジネート印象を行います。

寒天は充分な厚さでないと印象の精度が得られないことと、寒天硬化前にアルジネート投入では印象材が混ざり、精密印象ではなくなってしまうので注意が必要です。

■シリコーン印象法の場合
通常の方法のほかに、日本ではあまり認知されていない積層印象法(コレクトアプトドルク法)があります。

この方法は、マールブルグ大学歯学部の補綴科レーマン教授(Prof.Lehman)により開発されました。

印象材が歯頸部周囲に掘った溝を伝い、均等の圧力が印象面に注入され、歯頸部まで正確に記録する方法です。

▼器材
シリコンーン印象材パテタイプ・インジェクションガンタイプ、リムロックトレ―

■一次印象   
リムロックトレーを用いてパテタイプのシリコーンで外形印象し、個人トレ―状を製作。

■二次印象の準備  
グルーブカッターを使い、二次印象の準備をします。
① 一次印象の歯頸境移行部を5mm程度離してカット、歯頸部の外側約3mm、幅2mm、深さ1.5mmを歯の周囲に溝を彫る。
② そこから頬側・舌側の歯頸部と隣接をつなげた溝を作る。
③ 咬合面は裂溝がなくなる程度に削除。

■二次印象   
一次印象が口腔内に戻ることを確認して、シリコーン印象材を削合した歯列に埋まる程度にトレーに注入し、口腔内に戻して強く圧接する

1999年 マールブルグ大学付属病院にて
コルテン社製、瀬戸商会製、コレクトアプトドルク法

②外冠・大連結子製作用模型のための印象
完成した内冠の、互いの正しい平行位置関係と粘膜を印象した模型(シュチュエーションモデル)により、適切な維持力の外冠と大連結子を製作します。 

▼器材
オクルーザルコア・インプレッションペースト・レジン歯根・トレー・印象材

① 完成した内冠の口腔内試適。適合性とクリアランスの確認
② 模型上で製作したオクルーザルコアの用いて内冠の位置関係を確認、位置関係が適合しない場合はレジンで口腔内の状態を記録する。インプレッションペーストでオクルーザルコアを固定
③ オクルーザルコアを含む支台歯と歯列・口腔粘膜を印象採得します。トレ―・印象材は使い慣れたもので良い。
④ レジン歯根を印象の内冠に戻して、石膏を注入して模型を製作します

内冠、オクルーザルコアと印象、シュチュエーションモデル

③アルタードキャスト機能印象 
義歯床の完成前に、咬合力加えて沈下した粘膜の記録をとります。 

▼器材
シリコーン印象材レギュラータイプ

① 外冠と義歯部の咬合を確認
② 義歯床にシリコーン印象材を塗布し咬合させる
③ シュミレーション模型の欠損部を削除し、義歯部を戻し、石膏を注入し、模型を改造
④ 義歯床を改床して完成させる

アルタードキャスト印象、模型の改造、義歯欠損部の改床

テレスコープシステムの印象のまとめ
テレスコープシステムは、内冠と外冠で支持・維持の機能を担い、咬合力を受けとめ義歯の脱離に抵抗します。

その内冠と外冠とで全顎を強固に固定し、一体化することにより、加わる咬合力を歯列全体で分散して、歯の移動を防止するリジットサポートにすることで歯根を守ります。

これを機能させるためには、支台歯の精密印象・シュチュエーションモデルの印象・アルタードキャスト機能印象の3つの工程を適切に行うことがとても重要なのです。

テレスコープシステムの印象のまとめ



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