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Q:レントゲン上で顎関節を診断する際、チェックするポイントがあれば教えてください。

Q.レントゲン上で顎関節を診断する際、チェックするポイントがあれば教えてください。
A.顎関節の読影は大変難しく、正確な判断はできにくいと思います。

顎関節の形態は球形ではありません。
球体がいくつか横に重なった形態をしています。

それを真横から2次元的に撮影したものを読影するのですから、ある場所を切り取った形態を読むことしかできません。

また、顎関節を構成している下顎頭、側頭骨の下顎窩及び関節円板から構成されていますが、レントゲン写真では関節円板は写りません。
そこでその形態と位置を想像するしかありません。

普通に関節を撮影しようとした場合顎関節は左右で2か所が存在するために重なってしまい、判別することが困難となってしまいます。

そのため、顎関節の撮影は通常、経頭蓋撮影法が行われます。

これは患者の頭部を直立させ、それと並行にカセットを置き、カセットの軸に対し25度の角度から撮影します。

このようにして像が重なることを防ぎます。

またパノラマレントゲンでも、左右の顎関節の撮影が可能です。

撮影された写真を読影しますが、いくつかのポイントがあります。

それは下顎頭の形態と関節窩に対する下顎頭の位置です。

・形態としては連続したはっきりとした丸みを帯びた形態であるか。
・下顎等の形態に凹凸が見られないか。
・変形が認められるか等です。

次に下顎頭と関節窩の位置ですが、

・均等な間隔が存在しているか。
・前方、頭頂、後方に偏りがないか。

などを調べます。

関節円板はレントゲン写真では判別できませんので、下顎頭と関節窩の幅で見るしかありません。

このように、パノラマレントゲン写真でもかなりよく分かります。

しかしながら、パノラマX-線写真では2次元でしか見られません。

より正確に3次元画像により診断するには、エックス線CT画像による評価をすることをお勧めします。

さらに関節円板の位置異常を調べるためには、MRIによる診断が必要です。

日常臨床ではパノラマXー線の撮影が大半だと思いますので、歯のみではなく、注意深く顎関節なども診断してください。

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